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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税事例

個人が法人に時価の1/2未満の価額で株式を譲渡した場合の取扱い (22/2/9更新)
Q

 所得税法59条の適用についての照会です。

甲社(非上場会社)の議決権の割合は

A(個人)         70

B社(Aの同族関係会社) 200

C社(他の株主とは無関係)200

D社   ( 〃 )   200

E(個人)( 〃 )    70

合計740個です。

 甲社の原則的評価方式によった株価は700,000円、特例的評価方式では50,000円です。
 Aの持株を甲に350,000円未満で譲渡した場合は、みなし譲渡の適用があると考えてよいでしょうか。


A  

〔回答〕
 1 ご意見のとおり、A(個人)が甲社(法人)に対して時価の1/2未満の価額で甲社株式を譲渡した場合には、低額譲渡としてみなし譲渡の対象となります(所法59@二)。

 2 AとB社の議決権数は270個、議決権総数は740個ですので、AとB社の議決権割合は36.48%となり、両者は同族株主に該当します。このため、Aの所有する甲社株式の時価は、原則的評価方式の700,000円(1株当たりかどうかは不明)となります。
 そうすると、時価700,000円の甲社株式を350,000円未満で甲社に譲渡した場合には、自己株式の取得に該当しますが、その場合でも低額譲渡としてみなし譲渡の対象となります(措通37の10・37の11共-22)。
 具体的には、時価@700,000円、譲渡対価@340,000円、資本金等の額@50,000円とした場合、「340,000円−50,000円=290,000円」部分がみなし配当の、「700,000円−340,000円=360,000円」部分がみなし譲渡(株式譲渡益課税)の対象となります。なお、資本金等の額@50,000円部分は、みなし譲渡に該当するかどうかにかかわらず株式譲渡益課税の対象です。

 


(税理士懇話会・資産税研究会事例より)
   

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