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【特設】『ウェブ版 資産税通信』(配信・運営:税務研究会)

今月の資産税ニュース

国税庁 譲渡所得関係の改正通達を公表 (21/9/6更新)

 国税庁はこのほど,『「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)(令和3年6月25日付課資3-5等)』を公表した。同通達では,令和3年度改正により設けられた「株式等を対価とする株式の譲渡に係る譲渡所得等の課税の特例(措法37の13の3等)」等に関する取扱いが示されている。

 同特例は,令和元年12月の会社法の一部改正により,「株式交付制度(令和3年3月1日施行)」が創設されたことに伴い設けられたもので,株主(個人)が保有する株式交付子会社(被買収会社)の株式を株式交付親会社(買収会社)に譲渡し,その対価として,買収会社の株式の交付を受けた場合に,被買収会社の株式の譲渡がなかったものとみなされる。

 株式交付制度を活用してM&Aを実施する際, 被買収会社の株式の価額と買収会社の株式の価額の差額を補填するために,株主に対して,買収会社の株式とともに金銭等が交付される場合があるという。その場合,買収会社より交付を受けた株式の価額が,買収会社より交付を受けた金銭や金銭以外の資産の価額の合計額のうちに占める割合が100分の80以上でなければ,同特例は適用できない(いわゆる8割要件の判定)。

 今回の改正通達では,同特例の適用上,8割要件の判定における買収会社の株式の価額は,株式交付の効力発生日の価額が原則だが,“課税上弊害がない限り,会社法の規定による株式交付計画に定められた算定方法における算定基準日の株価を基礎として合理的な手法により算定される価額によることとしても差し支えない”としている(改正:措法37の13の3-1)。また,同要件は,被買収会社の株式を譲渡した“株主ごと”に判定する旨を示した(新設:措法37の13の3-2)。

 このほか,株式交付により金銭等の交付を受けた場合の収入金額や取得価額の調整に係る取扱いなども示されている(新設:措法37の13の3-4)。


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