会計・監査・ディスクロージャーの専門メディアとして、企業経理、監査実務に携わる多くの皆様とともに歩み続けてきた週刊「経営財務」は2019年春、創刊70周年を迎えました。その記念企画の一環として、創刊70周年記念「会計川柳」を広く募集(募集期間:2019年11月20日~2020年1月31日)してまいりましたが、このたび募集期間が終了し、たくさんのご応募をいただきましたので、ここにお知らせ致します。
(西川 郁生氏)
「英訳で 勘定科目の 意味を知る」
資本市場のグローバライゼーションが実現し、企業の規模に関わらず、ビジネスが世界と連動していく中で、会計が世界中に通じる共通言語になりつつあります。そんな中、日本語よりも英語で見た方が意味が分かりやすい、という勘定科目もあります。例えば、「売掛金」は英語では“accounts receivable”。こちらの方が意味が分かりやすいですね。
「英訳で 勘定科目の 意味を知る」
資本市場のグローバライゼーションが実現し、企業の規模に関わらず、ビジネスが世界と連動していく中で、会計が世界中に通じる共通言語になりつつあります。そんな中、日本語よりも英語で見た方が意味が分かりやすい、という勘定科目もあります。例えば、「売掛金」は英語では“accounts receivable”。こちらの方が意味が分かりやすいですね。
(鶯地 隆継氏)
「わが社にも スカウトしたい 森若さん」
石鹸メーカーの経理部を舞台にしたドラマの登場人物として話題になった「森若さん」。彼女のモットーは「貸借対照表のごとく、『何事にもイーブンに生きる』」とのことで、そんな彼女の活躍見たさに、放映を楽しみにされていた経理パーソンも多いのではないでしょうか。この句は「スカウトしたい」とのことでしたが、もしかしたら既に、あなたの会社にも森若さんのような方がいらっしゃるかもしれませんよ。
「わが社にも スカウトしたい 森若さん」
石鹸メーカーの経理部を舞台にしたドラマの登場人物として話題になった「森若さん」。彼女のモットーは「貸借対照表のごとく、『何事にもイーブンに生きる』」とのことで、そんな彼女の活躍見たさに、放映を楽しみにされていた経理パーソンも多いのではないでしょうか。この句は「スカウトしたい」とのことでしたが、もしかしたら既に、あなたの会社にも森若さんのような方がいらっしゃるかもしれませんよ。
「本当に 日本語なのか 基準案」
国際会計基準IFRS第15号の定めを取り入れた収益認識会計基準など、英語で書かれた基準を参照して日本基準が作成されることが増えてきました。元が英文のため、どうしても翻訳調の文章になってしまい、「意味が分かりづらい」と言われてしまうこともしばしば。とは言え、基準作成側にも「表現を変えてしまうとIFRSの定めと内容が変わってしまう」との思いがあり、あまり書き下しをするわけにもいかない事情もあるようで、難しいところです。
「本当に 日本語なのか 基準案」
国際会計基準IFRS第15号の定めを取り入れた収益認識会計基準など、英語で書かれた基準を参照して日本基準が作成されることが増えてきました。元が英文のため、どうしても翻訳調の文章になってしまい、「意味が分かりづらい」と言われてしまうこともしばしば。とは言え、基準作成側にも「表現を変えてしまうとIFRSの定めと内容が変わってしまう」との思いがあり、あまり書き下しをするわけにもいかない事情もあるようで、難しいところです。
「監査では 噛めばKAMほど 味がでる」
いよいよ2020年3月期から早期適用が始まるKAM(Key Audit Matters:監査上の主要な検討事項)。各社固有の状況を記載するものですから、スルメのように噛むほどに味が出る熱心に書かれたKAMや、それぞれの「味」が楽しめる個性あるKAMが出てくることを期待したいものです。
「監査では 噛めばKAMほど 味がでる」
いよいよ2020年3月期から早期適用が始まるKAM(Key Audit Matters:監査上の主要な検討事項)。各社固有の状況を記載するものですから、スルメのように噛むほどに味が出る熱心に書かれたKAMや、それぞれの「味」が楽しめる個性あるKAMが出てくることを期待したいものです。
「落ちません 貴方の口説きと この経費」
「口説きに落ちる」と「経費で落ちる」を掛けた、ある意味伝統的ともいえる形式の一句。このご時世、軽々しく人を口説いたり、何でもかんでも経費で落とそうとしたりしても、昔のようにはいきません。時代に合わせ、人付き合いの仕方や金銭感覚のあり方もアップデートさせることが望まれます。
「落ちません 貴方の口説きと この経費」
「口説きに落ちる」と「経費で落ちる」を掛けた、ある意味伝統的ともいえる形式の一句。このご時世、軽々しく人を口説いたり、何でもかんでも経費で落とそうとしたりしても、昔のようにはいきません。時代に合わせ、人付き合いの仕方や金銭感覚のあり方もアップデートさせることが望まれます。
「ガバナンス 決める上役 バカナンス」
コーポレートガバナンス・コードの制定などで、近年ますます重要度を増すガバナンス。各社とも自社のガバナンス向上のため、様々な取り組みをしていることと思いますが、その音頭取りをする上役が実は…という痛烈な皮肉。部下からこんなことを言われてしまわないよう、正しい理解と行動をしていきたいものです。
「ガバナンス 決める上役 バカナンス」
コーポレートガバナンス・コードの制定などで、近年ますます重要度を増すガバナンス。各社とも自社のガバナンス向上のため、様々な取り組みをしていることと思いますが、その音頭取りをする上役が実は…という痛烈な皮肉。部下からこんなことを言われてしまわないよう、正しい理解と行動をしていきたいものです。
※最優秀作品および入賞作品に選出された皆様へは、2020年4月上旬を目安に賞品の発送を行います。
なお、最優秀作品をはじめ、入賞作品や惜しくも入賞を逃してしまった作品につきましても、弊社発行の情報誌「週刊税務通信」「週刊経営財務」等の各種媒体に掲載されることがあります。
選者のコメント
週刊「経営財務」創刊70周年を記念した会計川柳。皆さまから、6535句をお寄せいただき、会計川柳史上最多の応募数となりました。たくさんのご応募、ありがとうございました。
特別審査員として西川郁生氏(元・企業会計基準委員会委員長)と鶯地隆継氏(前・国際会計基準審議会理事)の二名をお迎えし、専門家ならではの視点で選考していただきました。
経理部を舞台にした人気ドラマやラグビーワールドカップなど、世間で広く流行したものをおさえた句は安定感があり、その中でも詠み手のセンスがひときわ光るものを優秀作品として選びました。一方で、収益認識会計基準や監査上の主要な検討事項(KAM)など、会計や監査の実務で注目を集めるものを詠み込んだ句は、「なるほど、こんな着眼点があったか!」と審査員一同、新鮮な驚きとともに選考しました。
いずれの句からも、経理・監査の現場がいかに大変かということがとてもよく伝わってきました。その大変さは決算期の財務諸表作成や監査業務でピークを迎えます。ただ、それに限らず、会計基準の適用準備や新制度対応など一定程度の期間にわたって対応しなければならないことが多いのもまた、大変な点でしょう。
その意味で、これからはますます「良い人材」が求められる時代。最優秀賞には、そんな世相を反映した一句を選出しました。
【最優秀賞】
「会計じゃ 計れぬ資産 良い人材」
近年、会計では測れない無形資産が大きくなり、注目を集めています。各社ののれんの金額が大きかったり、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)のような企業で帳簿上の金額よりも時価総額がはるかに高かったりするのがその一例です。“The End of Accounting”(邦題は『会計の再生』)という本が話題にもなりました。
「会計じゃ 計れぬ資産 良い人材」
近年、会計では測れない無形資産が大きくなり、注目を集めています。各社ののれんの金額が大きかったり、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)のような企業で帳簿上の金額よりも時価総額がはるかに高かったりするのがその一例です。“The End of Accounting”(邦題は『会計の再生』)という本が話題にもなりました。
「人材は資産である」とは古くて新しい議論ですが、無形資産がクローズアップされる現代を象徴するような一句であるため、最優秀賞としました。
また、ヒト・モノ・カネという経営資源の中で無形資産にあたるのは人材です。しかし、人材(人間資産)はバランスシートの資産に計上されることがないというのは会計の基本で、それを素直に詠んだ句であることも、高評価のポイントでした。