難解なイメージのある税をより身近なものに感じていただきたい、専門家のみならず広く一般の方にも税について考える機会をもっていただきたいと思い、税金に関する川柳を広く募集(募集期間:2016年2月1日~2016年4月10日)してまいりましたが、このたび募集期間が終了し、たくさんのご応募をいただきましたので、ここにお知らせ致します。
※最優秀作品および入賞作品に選出された皆様へは、6月末頃を目安に賞品の発送を行います。
なお、最優秀作品をはじめ、入賞作品や惜しくも入賞を逃してしまった作品につきましても、選弊社発行の情報誌「週刊税務通信」等の各種媒体に掲載されることがあります。
選者のコメント
今回の投句総数は9,302句。1万句には届きませんでしたが、かつてないほど選考に悩まされる力作をみなさんからお寄せいただき、レベルが上がっているのを実感しました。
寄せられた川柳をテーマ別にみると、相続税、ふるさと納税、8%から10%への消費税率の引上げ、軽減税率の対象となる食料品なのか、それとも外食なのか、などなど。 今回も税にまつわる話題が幅広く集まりました。
そして、最優秀賞の座を射とめたのは「パナマ文書」。
タックスヘイブンを利用して租税回避を行った企業や個人名が明らかになると注目されていますが、世界的に税逃れをする人が後を絶たないのは残念なことです。
選からは漏れたものの、脱税を指南する人に着目した句も寄せられており、正しく税金を納めている人のためにも、適切な納税をお願いしたいところです。
【最優秀作品】
「税をパス パナマ運河の 裏の顔」
学生時代の地理の授業で、パナマ運河の開通によって、マゼラン海峡を回ることなく大西洋から太平洋へ通過(パス)できるようになったと習いました。最近は、タックスヘイブンを利用した租税回避(税をパス) に携わったパナマの法律事務所から流出したいわゆるパナマ文書が世間を騒がせていると報道されています。
パスに掛けて、時代を風刺したワールドワイドな作品が今回の最優秀作品です。
お知り合いに、パナマ文書に名前が載っているような方はいらっしゃいませんか?
世界にはパナマ文書の報道に戦々恐々としているリッチな方々がけっこういらっしゃるようですが、やはり税金は正しく払って欲しいですね。
【優秀作品】
「買って税 売ってまた税 逝って税」
税が課される場面は様々ですが、消費税、所得税、相続税を5・7・5で言い表したこの作品は、お見事!の一言です。税金が生活に浸透していることを改めて教えられました。
「イータくん 陰で操る マイナちゃん」
e-Taxはシステム導入当初に比べて、格段に使い勝手が良くなったと評判です。そのe-Taxのマスコットキャラクターはイータくん。
一方、今年からスタートしたマイナンバーのマスコットがマイナちゃんです。マイナちゃんの登場で所得把握が容易になると目されており、今後はマイナちゃんとイータくんが協力して威力を発揮することになるのでしょう。
「税のため 畑売るよと 墓に詫び」
毎回、笑うだけでなく、切なくなる作品が寄せられホロッとさせられます。
今回、その代表的な作品がこの句です。先祖代々、守ってきた畑を手離さなければならなくなった無念さ、それをお墓にお詫びしている姿が目に浮かぶようです。
「女房に フヨウと言われる 定年後」
この句を寄せて下さった方は、会社を勤め上げ、第二の人生のスタートを切ったものの、それまでと立場が逆転してしまったのでしょうか。
家の中に居場所がなく、奥さんからは不要と言われ、ひょっとすると奥さんの控除対象扶養親族になっているのかも。フヨウをカタカナにしてエッジの利いた作品になっています。
「被災地へ この税届けと 願い込め」
熊本地震で被災された方々に、謹んでお見舞い申し上げます。
不安な日々と、不自由な生活を強いられている方々が、一日も早く、もとの生活に戻られることを願わずにはいられません。本当のふるさと納税が被災地に届きますように!