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平成25年度の税制改正において、資産課税に関連しては、平成23年度の税制改正以降、法案には規定されながらも審議過程で削除されてきた、相続税の基礎控除の縮減や税率構造の見直し、贈与税の見直し等が実現される見通しだが、これらは平成21年度の税制改正法の附則104条に規定された、いわゆる税制の抜本的な改革に位置づけられている項目。
ところで、平成25年度改正では「小規模宅地等の課税価格の計算特例」の見直しも予定されているが、この改正の適用期日は平成26年1月1日からとされるものと、平成27年1月1日からとされるものとがある。
平成26年1月から適用が予定されているのは「居住用宅地の適用要件」の緩和で、現行は建物内部で二世帯の居住スペースがつながっていないと特例の適用を受けることができない二世帯住宅について、構造要件を見直し、建物内部でつながっていなくても建物全体を被相続人の居住用として、特例の適用が認められるようになる。また、被相続人が老人ホームに入居した場合に、老人ホームの終身利用権を取得しても、空き家となっていた家屋の敷地についても特例の適用が認められるようになる。
これに対し、平成27年1月から適用が予定されているのは、「居住用宅地の適用対象面積」の拡大に関連するもの。
この改正では、居住用宅地の適用対象面積を240uから330uへ拡大する。また、居住用宅地と事業用宅地の併用についても、現行は限定併用で最大400uであるものを、完全併用を可能とし、居住用と事業用を併せた限度面積を最大で730uとする。
この「居住用宅地の適用対象面積」の拡大は、相続税の課税ベースの拡大等による影響が、地価の高い大都市圏でより大きいこと等に配慮し講じられることから、適用期日も税制抜本改革である相続税の課税ベースの拡大等とあわせ、平成27年1月1日以後の相続・遺贈からとされる。
一方、「居住用宅地の適用要件」の緩和は、いわゆる年度改正に位置づけられており、その適用期日は、平成26年1月1日以後の相続・遺贈からとされている。
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