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No:122853
実務で迷う「付加価値額」の勘所
付加価値額(報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料、単年度損益)の留意点
※別途、書籍をご購入ください。
税理士 多田 雄司
1972年慶応義塾大学経済学部卒業。77年税理士試験合格。79年税理士事務所開業。現在、東京税理士会会員相談室委員(法人税担当)。日本税務会計学会顧問。
[主著]「事例でわかる貸倒損失処理の実務」(共著、日本実業出版社、16年)、「法人税申告の実務全書」(共著、日本実業出版社、93年~)、「土地譲渡益重課制度」(中央経済社、95年)、「5%対応改正消費税」(税務経理協会、96年)、「仕入税額控除」(中央経済社、97年)、「詳解 法人税改革の要点」(98年)、「検証 外形標準課税」(2000年)(弊会出版局)、「外形標準課税の申告実務ガイド」(弊会出版局、04年)、「詳解 2018年版 国際税務」(清文社、18年共著)、「詳解 消費税軽減税率とインボイス方式の理論と実務」(日本実業出版社、19年)
収録日 | 2020/11/06 | 受講時間 | 350分 |
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受講料 | 税込価格 ¥ 37,400(税抜価格 ¥ 34,000) | ||
視聴期限 | 3週間 | ||
動画 | 必ずご利用規約をご確認ください。
※本講座では、書籍「第6版 外形標準課税の申告実務ガイド(税込3,190円)」をテキストに解説します。別途こちらのページからご購入ください。 プレイヤーが表示されない方はこちら |
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内容 | 外形標準課税とは、所得以外(外形)を課税の対象として課税する方法のことです。ただし、実際は所得と外形を組み合わせています。所得は一部を除いて法人税の取扱いに基づきます。外形としての課税対象は、付加価値と資本です。 実務では、付加価値額をどのように計算するかが重要なポイントになります。例えば、報酬給与額は、毎月支払う給与だけではありません。経済的利益、死亡退職金、出向・転籍の取扱いなど、実務で迷う事項は数多くあります。支払利子や支払賃借料を誤るケースもあります。外国支店の付加価値などには課税しませんので、除外する仕組みを理解する必要があります。さらに、複数の都道府県に支店や営業所がある場合は、一定の基準で課税対象額を各都道府県に配分します。このセミナーでは、このような点を中心に外形標準課税の全体を学びます。 |
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収録内容・チャプター | Chapter1(40:33) 第1章 法人事業税の概要 1 事業に対する課税 Chapter2(13:15) 第2章 納税義務者等 ・「所得課税法人(限定列挙している。)」以外が「外形対象法人」。 □2 非課税事業、留意点 3 資本金額・出資金額が1億円以下の判定時期 ・「資本金額」……納税義務の判定に用いる。 ・「資本金等の額」……資本割の計算で用いる。 Chapter3(01:02:11) 第11章 設例に基づく記入例 □1 事務所等が国内だけの法人の場合 ・申告書の作り方の手順を確認する。製造業の場合の設例。 3 分割基準 ・分割基準は業種によって異なる。 ・資本金額1億円以上の製造業、工場の従業者の数は5割増しになる。 ・単年度損益は欠損金の繰越控除を認めない。 ・雇用安定控除は、収益配分額のうちに報酬給与額の占める割合が70%を超えるときに適用がある。収益配分額とは外部に支出した報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料の合計額のこと。この特例の適用がある会社は多い。 ・第10号様式は分割基準を用いて事務所所在の各都道府県に所得金額等を配分する明細書。製造業の分割基準は従業者数。 Chapter4(29:59) 第3章 付加価値割 □1付加価値額 □2報酬給与額 ・法人税で損金算入されるもの。 ・支出した事業年度で計上する。 ・特に給料、賞与、退職手当等の定義の理解が重要。 3 損金不算入の役員給与 4 報酬給与額に含まれないもの ⑵所得税で非課税とされる通勤手当、⑷在外手当 5 消費税、地方消費税が含まれている場合 ⑴通知 ・総務省が示す行政指針のこと。国税でいう通達。 7 勘定科目との関係 Chapter5(40:11) 8 報酬給与額と請負契約に係る代金 ⑶雇用と請負の差異 ・雇用と請負は民法の規定(定義)でその違いを確認する。実務では区別が難しいケースがある。 10 報酬給与額の考え方 ⑴報酬給与額の意義1 ・事業税取扱通知4の2の3……報酬給与額を判断するうえで非常に重要な通知。受給者の立場から規定している。 ・役員、使用人に所得税が課税されるか否かで判定する。 ⑵法律規定と通知の関係 ・地方税法は支払者(法人)の立場から規定している。 ・地方税法の規定と事業税取扱通知で報酬給与額の範囲を限定する。 ⑶福利厚生費、法定福利費の取扱い ・社会保険料の事業主負担分は、所得税では給与に当たらないので、外形標準課税の報酬給与に含まれない。 ⑷報酬給与額の意義2 ①所得税で非課税とされても報酬給与額に該当するもの ②死亡退職金 ⑸外国で勤務する役員、使用人に対する給与 ・恒久的施設(PE)があるかどうかで扱いが異なる。 11 役員又は使用人に対する経済的利益 12 具体的な現物給与の金額 ⑴製品の無償支給、⑵低廉販売 Chapter6(36:06) 15 出向者、転籍者に対する給与 ⑵通知の基本的な考え方、⑶通知の問題点 16 引当金経理をした場合の報酬給与額 ⑵退職給与の支払額を退職給付引当金で支払った場合 18 掛金等に該当するもの、20 確定給付企業年金の掛金等 29 労働者派遣、船員派遣に係る特例 ・派遣先事業主と派遣労働者には雇用関係はないため、派遣先事業主が派遣元事業主に支払う派遣料は報酬給与にはならない。 ⑷労働者派遣 ・注文主と労働者には指揮命令関係はないので、報酬給与に該当しない。 Chapter7(32:03) □3 純支払利子 1 純支払利子、2 支払利子、4 支払利子に含まれるもの 8 債権の取得差額に係る調整差益 ・買取側である金融機関から見たファクタリングについての通知。買取側の債権の売買差益は受取利子にするというもの。売却側の取扱いは一切触れていない。この通知の特徴。 ⑶東京都主税局のQ&A ・ファクタリングで売却側に債権の売買差損が出たとしても支払利子に含めない。 10 ファイナンス・リースに係るリース料、11 金銭貸借とされるリース取引に係るリース料、14 売上割引料 Chapter8(20:52) □4 純支払賃借料 2 支払賃借料 ⑶賃借料等の対価に含まれるもの 6 権利金等、8 明渡しの遅滞により支払う違約金等 13 倉庫における荷物の保管料 ・荷物の保管料は、取引(会計)処理では賃借料ではないが、外形標準課税では支払賃借料になる。 15 共益費等の取扱い Chapter9(18:05) □5 単年度損益 ・「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越し」は適用されない。 4 損金の額等に算入した所得税額がある場合の法人の単年度損益の算定の特例 ・法人が支払った源泉徴収された所得税額を費用処理した場合は加算する。 □6 特定内国法人等の付加価値割の課税標準 Chapter10(24:35) □9 付加価値割における給与等の引上げ、設備投資税制 ⑴適用要件 Chapter11(38:28) 第4章 資本割 □1 資本割の課税標準 ・原則は法人税の資本金等の額による。 2 資本金額、資本準備金額の合計額が資本金等の額を上回る場合 ・自己株式買いをした法人に適用の可能性あり。 □2 持株会社の特例 ・適用要件を満たせば、資本金等の額が2分の1以下になり、かなりの軽減効果が生ずる。 □4 その他の資本割の特例 第5章 所得割 □1 所得割の課税標準 ・単年度損益との違いは青色欠損金の繰越控除の規定は適用するということ。 □2 国外において事業を行う特定内国法人の所得割の課税標準 第7章 特別法人事業税 第8章 法人事業税の標準税率 □3 2以上の都道府県に事務所等がある場合の事業税額の分割 3 分割基準 ・5つのタイプがある。製造業など特掲されていない事業は、2分の1を事務所の数、2分の1は従業者の数で課税標準額を事務所所在の都道府県間で分割する。 第9章 申告納付、徴収 第10章 税効果会計及び損益計算書での表示 ・法人事業税は税効果会計の対象になるものと、ならないものに分かれる。 ・外形基準の法人事業税は販売費・一般管理費に、所得基準のそれは法人税等と損益計算書での表示箇所は異なる。 |
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備考 | このセミナーでは書籍「第6版 外形標準課税の申告実務ガイド(税込3,190円)」テキストに使用して解説を行います。書籍は下記の関連書籍からでもご購入できます。 |