第231回 グループ通算制度における投資簿価修正に係る改正~令和4年度税制改正大綱で明らかに~

2022年3月1日

 

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令和4年度税制改正大綱(以下、「大綱」)において、グループ通算制度における投資簿価修正の取扱いについて、重要な改正が行われることが明記されています。なお、本稿はあくまでも大綱の段階の内容であり、今後の法令等で内容を再確認していただければと思います。

 

 

 

■グループ通算制度における投資簿価修正の取扱い

現行の法令では、通算グループからの離脱法人の株式の離脱直前の帳簿価額は、離脱法人の簿価純資産価額に相当する金額とするとされています。

グループ通算制度は単体申告であるため、連結納税で行われていた投資簿価修正を厳密に行うことが困難であると考えられます。そのため、簡便的な簿価修正として、離脱時に1回だけ帳簿価額を修正させる趣旨のものです。

 

■離脱時の譲渡益課税の問題

M&Aでは、買収先ののれんの評価を織り込んで、簿価純資産価額相当額よりも高い金額で株式を取得する場合が多くみられます。のれんの評価を織り込んでその株式を取得していた場合は取得価額が高くなっているにもかかわらず、通算グループからの離脱時にその株式の帳簿価額を簿価純資産価額相当額に修正すると、帳簿価額が下がってしまい、その子法人株式を譲渡した際に譲渡益課税が生じてしまうというネックが指摘されていました。

今回の改正により、通算子法人が離脱する際の投資簿価修正制度について、離脱時に子法人株式の取得時におけるのれんに相当する金額(資産調整勘定等対応金額)をその通算子法人の簿価純資産価額に加算することができる措置が講じられる予定です。
(注)「資産調整勘定等対応金額」とは、離脱する通算子法人の通算開始・加入前に時価取得した子法人株式を合併対価として、取得時に通算子法人を被合併法人とする非適格合併を行うものとした場合に資産調整勘定(または負債調整勘定)として計算される金額に相当する金額をいいます。

対象となる通算子法人からは、主要な事業が引き続き行われることが見込まれていないことにより通算制度からの離脱等に伴う資産の時価評価制度の適用を受ける法人を除くものとされ、また、本改正は、連結納税制度からグループ通算制度に移行した場合も適用対象とされます。

 

■具体例

以下、具体例により説明します。

前提条件
取得価額  100(簿価純資産価額60+のれん40)
翌期にその子法人に欠損金が15生じた後に子法人株式を85で譲渡

解 答
現行の法令上は、子法人株式の帳簿価額がその時の簿価純資産価額45(60-15)に修正されるため、譲渡益が40生じることになります。

改正後は、子法人株式の帳簿価額を離脱時に、簿価純資産価額45+のれん40=85に修正することになります。結果として、譲渡損益は生じません。

なお、適用するにあたり、離脱の日の属する事業年度の確定申告書への計算に関する明細の添付、および計算に関する事項を記載した書類の保存が義務づけられます。

 

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