消費者向け電気通信利用役務の提供|税務通信 READER'S CLUB

2021年10月5日

No.3665(令和3年8月9日号) 61頁

税務の動向 消費税登録国外事業者は適格請求書発行事業者に移行
Q1

 消費者向け電気通信利用役務の提供については、登録国外事業者制度が廃止されて、インボイス制度に吸収されるそうですが、この改正の対象となる「消費者向け電気通信利用役務の提供」とは具体的にどのような取引をいうのでしょうか。

A1

 消費者向け電気通信利用役務の提供とは、例えば、インターネットを介した電子書籍の配信のように、電気通信利用役務の提供のうち、事業者向けに提供されるもの以外のものをいいます。

1.電気通信利用役務の提供とは
電気通信利用役務の提供とは、インターネットなどの電気通信回線を介して行われる著作物の提供や、その他の電気通信回線を介して行われる役務の提供をいい、事業者向け電気通信利用役務の提供と消費者向け電気通信利用役務の提供に区分されます。

(1)事業者向け電気通信利用役務の提供
事業者向け電気通信利用役務の提供とは、電気通信利用役務の提供のうち、役務の性質や役務の提供に係る取引条件などから、役務の提供を受ける者が通常は事業者に限られるものをいいます。具体的には、次のようなものがあげられます。

<事業者向け電気通信利用役務の提供に該当する取引(例示)>
①インターネットのウエブサイト上への広告の掲載のように、その役務の性質から、役務の提供を受ける者が通常は事業者であることが客観的に明らかなもの
②役務の提供を受ける事業者に応じて、各事業者との間で個別に取引内容を取り決めて締結した契約に基づいて行われる電気通信利用役務の提供で、契約において役務の提供を受ける事業者が事業として利用することが明らかなもの
③インターネット上でゲームやソフトウエアの販売場所を提供するサービス

(2)消費者向け電気通信利用役務の提供
消費者向け電気通信利用役務の提供とは、電気通信利用役務の提供のうち、事業者向け電気通信利用役務の提供以外のものをいいます。具体的には、次のようなものがあげられます。

<消費者向け電気通信利用役務の提供に該当する取引(例示)>
①インターネット等を通じて行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像の配信
②クラウド上でソフトウエアやデータベースを利用させるサービスや、顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービスなど、クラウドでのサービスの提供のうち、消費者などの事業者以外の者からの申込みが行われた場合に、その申込みを事実上制限できないもの

2.電気通信利用役務の提供に該当しない取引
インターネットなどの電気通信回線を介して行われる役務の提供であっても、他の資産の譲渡等(取引)の結果の通知や、他の資産の譲渡等(取引)に付随して行われるものは、電気通信利用役務の提供には該当しません。具体的には、次のようなものは電気通信利用役務の提供には該当しません。

<電気通信利用役務の提供に該当しないもの(例示)>
①国外に所在する資産の管理・運用等について依頼を受けた事業者が、その管理等の状況をインターネットや電子メールを利用して依頼者に報告するもの
②ソフトウエア開発の依頼を受けた事業者が、国外においてソフトウエアの開発を行い、完成したソフトウエアについてインターネットや電子メールを利用して依頼者に送信するもの

また、電話、FAX、インターネット回線の接続など、通信そのものに該当する役務の提供も、電気通信利用役務の提供には該当しません。

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