租税条約届出書の提出期限|税務通信 READER’S CLUB

2022年11月8日

 

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Q1

 租税条約に関する届出書を提出すれば限度税率が10%になる、とありますが、この租税条約に関する届出書の提出ができていなかった場合は、もう減免措置は受けることはできないのでしょうか?

A1

 記事にあるように、租税条約を適用することによって、相手国での減免が受けられる場合には、その減免を受けるために、いわゆる租税条約に関する届出書等を相手国の税務当局に提出する必要があります。仮に日本国において減免を受けるのであれば、日本の税務署長に届出書等を提出することになります。具体的な規定として、例えば、日本から支払う配当について減免措置を受ける場合には、「租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令」の2条に規定があります。

(相手国居住者等配当等に係る所得税の軽減又は免除を受ける者の届出等)

第2条 相手国居住者等は、その支払を受ける法第3条の2第1項に規定する相手国居住者等配当等(以下この条において「相手国居住者等配当等」という。)につき所得税法第212条第1項若しくは第2項又は租税特別措置法第9条の3の2第1項、第37条の11の4第1項、第41条の9第3項若しくは第41条の12の2第2項若しくは第3項の規定により徴収されるべき所得税について当該相手国居住者等に係る相手国等との間の租税条約の規定に基づき軽減又は免除を受けようとする場合には、当該相手国居住者等配当等に係る源泉徴収義務者ごとに、次に掲げる事項を記載した届出書を、当該租税条約の効力発生の日以後最初にその支払を受ける日の前日まで(その支払を受ける相手国居住者等配当等が無記名の株式、出資若しくは受益証券に係るもの若しくは無記名の債券に係るもの又は所得税法施行令(昭40年政令第96号)第281条第1項第4号ロに掲げる所得に該当するもの(次項において「無記名配当等」という。)である場合にあっては、その支払を受ける都度、当該支払を受ける時)に、当該源泉徴収義務者を経由して、当該源泉徴収義務者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない

注:下線部分は筆者による。

このように、その支払日の前日までに、支払者を通じて所轄の税務署長に租税条約に関する届出書を提出することになっています。

ただし、ここで注意しないといけないことは、たしかに提出義務は課されていますが、その期限内の提出が、軽減税率を適用するための要件にはなっていない点です。

したがって、支払日までに租税条約の届出書提出ができていなかった場合、もっと言えば税務調査で租税条約の届出書提出もれが指摘された場合であっても、原則税率で計算した源泉税(差額)をまずは納付し、その後、租税条約の届出書を提出することにより軽減税率の適用を受け直すことが可能です。その結果、納税した原則税率での金額と軽減税率で計算した金額の差額は、還付されることになります。

 

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