信託契約と小宅特例の適用関係

2025年11月27日

 

 

 

信託契約と小宅特例の適用関係

民事(家族)信託等の信託契約では、相続後も契約が継続するケースや、相続で契約が終了し残余財産を相続人が取得するケースがあろう。

被相続人(父等)の死亡後も信託契約が継続し、「信託受益権」を相続人(子等)が取得するケースでは、信託財産として自宅等を設定していても、相続開始に伴い自宅等を取得したことにはならず、信託受益権を遺贈により取得したものとみなされる(相法9の2②)。

その信託財産の属する資産を取得したものとみなして相続税法の各規定が適用されるため(相法9の2⑥)、上記ケースでは信託受益権は自宅等とみなされる。この規定は小規模宅地特例の適用場面でも準用されるため(措令40の2㉗)、上記ケースではその自宅等に係る宅地等は小規模宅地特例の適用対象となる(措通69の4-2)。

被相続人(父等)の相続開始に伴い信託契約が終了し「残余財産」として自宅等を相続人(子等)が取得するケースでは、残余財産を遺贈により取得したものとみなされるが、残余財産は、信託受益権のように信託財産に属する資産を取得したものとみなす相続税法の規定や、小規模宅地特例を適用する準用規定の対象には含まれていない(相法9の2④⑥、措令40の2㉗)。

しかし、信託契約が終了し信託受益権ではなく本来の財産の形に戻った後といえる自宅等を残余財産として取得した場合、信託受益権のように準用規定がなくとも、自宅等を遺贈により取得したものとみなされ、その自宅等に係る宅地等は小規模宅地特例の適用対象になるという。

よって、上記2ケースのいずれも、小規模宅地特例の適用要件(措法69の4③等)を満たしていれば本特例を適用できる。

(情報提供:週刊 税務通信)

 

 

 

 

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