会計検査院IT導入補助金の不正受給を指摘 ほか
【TAX TOPICS|マネジメント倶楽部デジタル2月号】

2025年2月10日

 

———————
このコラムでは、掲載月に関連する税の身近なトピックをピックアップして、簡潔にまとめてお届けしています。
毎月3〜4つのトピックを取り上げています。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
———————

 

 

会計検査院IT導入補助金の不正受給を指摘

業務効率化やDX等に向けたITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する目的のIT導入補助金について、会計検査院が令和2年度から令和4年度までに交付された補助金の状況を検査し、その内容を公表しました。検査対象は補助金交付総件数の0.8%にあたる376の事業主体が実施した445事業で、検査の結果、その9%にあたる30事業主体の41事業で不正が発覚しています。不正による交付総額は1億812万円にも上ることが判明しました。

不正の内容としては、IT導入支援事業者やその関係会社等から協賛金や紹介料などの名目で資金が還流(キックバック)されていたもの、実際にはITツールを導入していないにもかかわらず導入したとする虚偽の実績報告等が行われていたものなどがありました。

IT導入補助金事務局は、IT導入支援事業者および補助事業者に対して現地確認を含めた立入調査を行い、不正行為が認められた場合は「交付決定取消、補助金の返還請求、IT導入支援事業者登録取消」といった措置を講じるとしています。

不正関与の認識があるにもかかわらず補助金を受け取った場合や、交付後に不正関与に気づいた場合には、所定の手続き(後年手続きによる補助金の返還)により、補助金を返還する必要があります。また、IT導入補助金事務局は不正に関する情報提供も呼びかけています。

 

 

令和5事務年度 法人税等の申告(課税)事績

令和5事務年度の法人税等の申告(課税)事績の概要が国税庁ホームページで公表されました。

申告件数は318万件、申告所得金額の総額は98兆2,781億円、申告税額の総額は17兆3,924億円といずれも前年を上回り、特に申告所得金額の総額は過去最高を記録しました。この要因としては、コロナ禍からの経済回復、円安による輸出企業の収益増加、デジタルトランスフォーメーションの推進による生産性向上などが考えられます。

また、令和4年4月1日に導入されたグループ通算制度では、令和6年6月30日現在の通算法人数が18,937件に達しました。この内訳は、親法人数が2,049件、子法人数が16,888件で、いずれも増加しています。通算法人における黒字申告割合は55.0%と前年を下回ったものの、黒字申告における所得金額は29兆7,815億円、1件当たりの黒字申告所得金額は2,859百万円と大幅に増加しました。

さらに、令和5年7月1日から令和6年6月30日までに提出された徴収高計算書によると、源泉所得税が21兆3,351億円と前事業年度比で2.2%減少しました。一方で、特定口座内保管上場株式等の譲渡所得等の税額は前年対比170.7%と大幅に増加しています。

 

 

「申請書等の取下書」の代理送信

税務署に提出した申請書や申告書(以下、「申請書等」という。)を取り下げたい場合、税法上は明確な規定がないものの、実務では「取下書」を提出することで対応しています。この「取下書」は税法で定められた様式がありませんので、実務では、納税者または関与税理士が便宜的に作成して取下げの意思表示を行っています。

この取下げの手続きについて、令和6年11月からは、関与税理士が提出済の申請書等を取り下げる旨を記載した「税務代理権限証書」を電子申告で代理送信すれば「申請書等の取下書」として取り扱われることになりました。提出は一定のルールに則って送信することが必要になりますが、利便性が高まることが期待されます。

送信後は、ワーニングメッセージに注意が必要です。電子申告の送信後に受信する「受信通知」にワーニングメッセージが表示されますが、正常に受付されているので再送信は不要です。逆に、ワーニングメッセージが表示されない場合は、エラーになっている可能性があるため、提出先の税務署へ確認することが必要です。

 

【記載事項】

1 「基申告書(申請書)の受付番号」の記載

e-Taxダウンロード版で作成する場合は、税務代理権限証書の右上の「基申告書(申請書)の受付番号」欄に、「123」と記載します。民間の税務ソフトで作成する場合は、「123」と入力するとエラーになる場合があります。その場合は、未入力でも差し支えありません。

2 「3 その他の事項」の記載

「3 その他の事項」欄には、既に提出済の申請書等の「受付番号」及び「申請書等の手続き名称」並びに「取下の意向」を記載します。
(例)  受付番号(××××-××××-××××-××××-××××)の●●税申告書(申請書)について、取下げます。

 

【ワーニングメッセージ】

税務代理権限証書に入力された受付番号及び依頼者の利用者識別番号のいずれかに誤りがあり代理受領欄の選択の有無を確認できませんでした。通知書の代理受領を希望される場合は、入力内容を確認のうえ、税務代理権限証書のみを再度送信してください。

 

 

 

 

 

※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。


 

\会計事務所の皆さまへ/
マネジメント倶楽部デジタルで、
このような連載コラムを顧問先にお届けすることができます!

 

 

マネジメント楽部デジタルの‟ココがおすすめ!”

  • 無料でお届けすることができます(有料プランもございます)。
  • 顧問先への継続的なコミュニケーションツールとしてもぴったり!
  • 中小企業の経営情報などが掲載されており、顧問先との話題作りとしても。

 

 

 

マジメント楽部デジタルの‟ココが安心!”

  • マネジメント楽部デジタルの掲載記事は、税務研究会が監修しています。
  • マネジメント楽部は紙版で刊行された1997年10月以来、多くの経営者様にご愛読いただいています。
  • 顧問先の数やご予算などに応じて、最適なプランをお選びいただけます。

 

__今月末までのお申込みで、次月よりご利用スタート!
\まずは気軽に始められる「無料プラン」を是非お試しください!/

 

 


 

新着プレスリリース

プレスリリース一覧へ

注目タグ