会計検査院IT導入補助金の不正受給を指摘 ほか
【TAX TOPICS|マネジメント倶楽部デジタル2月号】

2025年3月10日

 

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このコラムでは、掲載月に関連する税の身近なトピックをピックアップして、簡潔にまとめてお届けしています。
毎月3〜4つのトピックを取り上げています。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
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令和5事務年度 法人税等の調査事績の概要

国税庁は令和5事務年度の法人税・所得税等の調査事績の概要を発表しました。近年の調査はAIの活用など、新たな取組みが目立ちます。中小企業の経営者や税理士の皆様にとって、これらの動向を把握することは、今後の税務対策に不可欠です。

法人税の調査は、実地調査件数5.9万件、申告漏れ所得金額9,741億円、追徴税額3,197億円とおおむね前年並み、法人消費税の調査も実地調査件数5.7万件、非違があった件数3.4万件、追徴税額1,095億円とおおむね前年並みでした。一見、大きな変化はないように見えますが、国税庁が取組みを強化している、消費税還付申告法人、海外取引法人等、無申告法人に対する調査では、多額の不正が発見されています。

消費税還付申告法人に対する調査では、総額390億円の追徴のうち81億円が不正計算によるものでした。海外取引法人等に対する調査では、輸入仕入金額を水増し計上し、のちにキックバックさせるなど巧妙な手口による不正が把握されています。無申告法人に対する調査では、申告義務があることを認識しながら売上を隠蔽して納税を免れるなど悪質な行為があったものは、総額219億円の追徴のうち101億円にも上りました。無申告は、申告納税制度の根幹を揺るがすことになるため、当局は積極的に調査を実施しています。

 

 

令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況

国税庁は令和5事務年度の所得税及び消費税調査等の状況を発表しました。所得税の調査では約60万5千件の調査のうち31万1千件で申告漏れなどの非違が確認され、申告漏れ所得金額は9,964億円、追徴税額は過去最高の1,398億円に達しました。

個人消費税の調査でも約12万件の調査のうち7万8千件で非違が判明し、追徴税額は423億円と過去最高になりました。

国税庁は、富裕層、海外投資等を行っている個人、インターネット取引を行っている個人、無申告者、消費税の還付申告者に対する調査を重点的な調査対象としています。1件あたりの追徴税額は、調査全体に比し、富裕層では2.6倍、海外投資等を行っている個人では2.4倍でした。インターネット取引を行う個人の調査では、シェアリングエコノミー等の新分野の経済活動に係る取引や暗号資産等の取引について積極的に調査を行っています。

国税庁はAIを活用して申告漏れの可能性が高い納税者を効率的に選定することで、調査の精度を大幅に向上させています。また、近年増加している所得税の不正還付申告に対しては、悪質なケースについて刑事責任を追及する姿勢を強めています。

 

 

財産債務調書と国外財産調書の提出

財産債務調書と国外財産調書の提出期限は、6月30日(月)です。提出義務のある方は、提出期限までにご準備いただいて、納税地等の所轄税務署にご提出ください。

 

1 財産債務調書

下記対象者に該当する方は、保有する財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額その他必要な事項を記載した財産債務調書を期限までに提出しなければなりません。

【対象者】

_①又は②に該当する方

①  所得税の確定申告書を提出する必要がある方又は所得税の還付申告書を提出することができる方で、令和6年分の退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ、令和6年12月31日においてその価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する方

②  令和6年12月31日においてその価額の合計額が10億円以上の財産を有する居住者の方(上記①に該当する方を除く。)

 

2 国外財産調書

下記対象者に該当する方は、保有する国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を期限までに提出しなければなりません。

【対象者】

_居住者の方(非永住者を除く。)で、令和6年12月31日においてその価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方

 

3 軽減措置と加重措置

期限内に提出された調書に記載がある財産等に所得税・相続税の申告漏れが生じたときは、それらに係る過少申告加算税又は無申告加算税が5%軽減されます。

一方、調書の提出が提出期限内にない場合又は提出期限内に提出された調書に記載すべき財産等の記載がない場合(重要なものの記載が不十分であると認められる場合を含みます。)、その財産等に関して所得税・相続税の申告漏れ(死亡した方に係るものを除きます。)が生じたときは、その財産等に係る過少申告加算税等が5%加重されます。

 

4 不提出に対する罰則

財産債務調書の不提出には直接の罰則はありませんが、国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合又は国外財産調書を正当な理由がなく提出期限内に提出しなかった場合に
は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されることがあります。

ただし、正当な理由がなく提出期限内に提出しなかった場合については、情状により、その刑を免除することができることとされています。

 

 

 

 

 

 

※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。


 

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