販路開拓、それは魅力のセルフプロデュース
【中小企業のための経営情報|マネジメント倶楽部デジタル8月号】

2025年8月15日

 

○●———————
このコラムでは、中小企業の経営に役立つヒントや、おさえておきたい今話題の情報などを、中小企業診断士の立場から、わかりやすく解説します。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
———————●○

 

 

 

販路開拓は、安定した事業成長に不可欠です。しかし、日常業務に忙殺されて手がつけられない、いざ始めても結果が出ずに諦めてしまう、そんな事業者が多いのも事実です。なかなか厄介な取り組みですが、見方を変えると実に楽しく、充実感ある仕事にもなり得ます。今回は効果的に販路開拓を行うポイントを解説します。

 

●開拓手法よりまず大切なこと

販路開拓というと、テレアポや展示会、Webといった手法が頭に浮かぶかもしれません。しかし、まず必要なのは販路開拓の目的と目標を定めることです。事業者は顧客を増やしリスクを分散させたいのでしょうか? 新たな商品・サービスを売り出し多角化したいのでしょうか? ここを明確にすることで目的が定まり、獲得顧客数、増加売上高など具体的な数値に落とし込むことで目的が目標に変わります。すると販路開拓に対する意識も高まり、アプローチの方法もより鮮明になります。効果的販路開拓の第一歩です。

ただし、販路開拓が常に最適な施策であるとは限りません。短期的に売上を伸ばす場合など、既存顧客への販売拡大を図る方が効果的な局面もあります。目的と目標が定まれば、販路開拓に限らない最適な一手を見出すことが可能となります。

 

●自社の本当の魅力を捉える

次に自社の魅力を言語化します。しかし、自ら言葉にするのは難しいもの。その場合、直接顧客に聞いてみるのが良策です。技術力の高さが自社の強みと考えていたある金属加工業者は、顧客にこう言われました。

「正直、品質はどこの業者さんも一定以上。でも御社は説明がわかりやすいうえに、現場で一緒に考えてくれる。それが御社の魅力」

思わぬ答えを受け、自社の営業資料を「高い技術力」から「一緒に考え、わかりやすく説明します」と書き換えて、新たな顧客獲得につなげました。第三者の視点を取り入れることで魅力の言語化に成功した好例です。

 

●魅力が刺さる相手こそ、真のターゲット

ターゲットの設定が次なるポイントです。販路開拓では数を追うことも大切ですが、むやみに取り組むと効率が落ち、息が上がります。魅力が刺さるターゲットを見定め、アプローチするのが成功の秘訣です。ある養鶏業者は、平飼いで独自の自然飼料を与えたニワトリの卵を出荷していました。一般的なケージ飼育に比べ手間も時間もかかるものの、濃厚で滋味あふれる食味が魅力でした。この事業者は販路開拓にあたり、日本で五指に入る中華料理店一社にターゲットを絞りました。やみくもに数を追わず、魅力を正当に評価してくれる見込客だけに集中することで、高いブランド力と高単価の取引を獲得しました。明確なターゲティングが功を奏した例といえます。

 

●何度も見直す、セルフプロデュースの4要素

目的と目標、魅力、ターゲット。これらはセルフプロデュースに欠かせない4要素です。これが定まれば、ふさわしい手法はおのずと見えてきます。重要なのは販路開拓の取組みのなかで、これらを繰り返し見直すこと。すると自社の魅力にも磨きがかかり、販路開拓手法も洗練されていきます。まさに「継続は力なり」です。

販路開拓とは、自社の魅力が響く顧客との「出会い」をプロデュースする、創造的でやりがいのある仕事です。前向きな挑戦が、安定的した事業の持続的な成長の原動力となります。

 

 

 

 

 

 

※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント倶楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。


 

\会計事務所の皆さまへ/
マネジメント倶楽部デジタルで、
このような連載コラムを顧問先にお届けすることができます!

 

 

マネジメント倶楽部デジタルの‟ココがおすすめ!”

  • 無料でお届けすることができます(有料プランもございます)。
  • 顧問先への継続的なコミュニケーションツールとしてもぴったり!
  • 中小企業の経営情報などが掲載されており、顧問先との話題作りとしても。

 

 

 

マジメント倶楽部デジタルの‟ココが安心!”

  • マネジメント倶楽部デジタルの掲載記事は、税務研究会が監修しています。
  • マネジメント倶楽部は紙版で刊行された1997年10月以来、多くの経営者様にご愛読いただいています。
  • 顧問先の数やご予算などに応じて、最適なプランをお選びいただけます。

 

__今月末までのお申込みで、次月よりご利用スタート!
\まずは気軽に始められる「無料プラン」を是非お試しください!/

 

 


 

関連コラム

新着プレスリリース

プレスリリース一覧へ

注目タグ