2017/01/09 9:00
記事では、A社は特定要件における他の者に該当するが、課税売上高判定の対象にはならないとされています。それは条文でどのように読み取るのでしょうか。
特定新規設立法人の納税義務については、消費税法第12条の3において、以下のように規定されています。
第12条の3 その事業年度の基準期間がない法人(略)のうち、その基準期間がない事業年度開始の日(略)において①特定要件(他の者により新規設立法人の発行済株式又は出資(略)の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式又は出資が直接又は間接に保有される場合その他の他の者により新規設立法人が支配される場合として政令で定める場合であることをいう。以下この条において同じ。) に該当し、 かつ、 新規設立法人が特定要件に該当する旨の判定の基礎となった②他の者及び当該他の者と政令で定める特殊な関係にある法人のうちいずれかの者の当該新規設立法人の当該新設開始日の属する事業年度の基準期間に相当する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額(略)が5億円を超えるもの(略) については、当該特定新規設立法人の基準期間がない事業年度に含まれる各課税期間(略) における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、第9条第1項本文の規定は、適用しない。 |
この条文を、記事の資本関係を例に考えてみます。
まず、①特定要件とは、C社が50%超の株式等を他の者により保有されているかどうか、というものです。
他の者により新規設立法人の発行済株式又は出資(略)の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式又は出資が直接又は間接に保有される場合その他の...(略) |
この要件においては、「直接又は間接に保有される場合」とされていることから、A社もB社も他の者に該当し、特定要件を満たすことになります。
次に、②課税売上高要件とは、他の者及び当該他の者と特殊な関係にある法人のうちいずれかの者の一定期間の課税売上高が5億円を超えているかどうか、というものです。
他の者及び当該他の者と政令で定める特殊な関係にある法人のうちいずれかの者の当該新規設立法人の当該新設開始日の属する事業年度の基準期間に相当する期間における課税売上高として政令で定めるところにより計算した金額(略)が5億円を超えるもの |
第25条の4 法第12条の3第1項に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、判定対象者(前条第2項第1号に規定する他の者及び当該他の者と同条第1項に規定する政令で定める特殊な関係にある法人のうちいずれかの者をいう。以下この項及び次項において同じ。)の基準期間相当期間における課税売上高(略)とする。 |
第25条の3 2 略 1 当該他の者(新規設立法人の前条第1項第1号に規定する発行済株式等若しくは同項第3号イからニまでに掲げる議決権(略)を有する者又は同項第4号に規定する新規設立法人の株主等である者に限る。)と(略) |
本誌関連ページ
ショウ・ウインドウ グループ法人税制と特定新規設立法人の「他の者」
No.3440 (平成29年1月9日号)69頁