健康保険標準報酬等級拡大

img_jitsumu_0051_01.jpg新年を迎えたばかりと感じている方も多いことと思いますが、早くも2月が訪れています。時間はあっという間に過ぎ去っていくわけですが、現実世界ではマイナンバーを始めとして数々の制度の新設や改正が行われます。会社の担当者の方は乗り遅れることなく、情報収集と必要な対策を立て、早め早めに行動するようにしましょう。

標準報酬等級とは

社会保険(健康保険と厚生年金保険)にかかる毎月の保険料は、事務の簡略化のために標準報酬という仕組みがとられています。この標準報酬は報酬の額(給与の額に交通費を加算した額、以下同様)毎に等級が定められており、「標準報酬等級表」という表によって同じ等級内の人は毎月の保険料額が同じ金額と定められています。

標準報酬等級表の範囲

この等級表の区分数は健康保険と厚生年金保険で異なっており、健康保険は1等級(5万8千円)から47等級(121万円)まで、厚生年金保険は1等級(9万8千円)から30等級(62万円)までとなっています。各上限の金額を超えた報酬月額をもらっている場合は、一番上の等級の保険料額になります。厚生年金と健康保険では等級上限に違いがありますので、例えば報酬月額が80万円の方の場合、健康保険では39等級に該当しますが、厚生年金は上限の30等級にしか該当しません。

img_jitsumu_0051_02.jpg等級の上限改定

上に述べたように報酬月額が等級表の上限を超えている場合は、それ以上いくら報酬が増えてもその人にかかる保険料額は変わりません。ですが今回、平成28年4月1日の法改正施行(いわゆる医療保険制度改革法)により、健康保険の等級上限は現状47等級(121万円)から、さらに3等級が増設され最高50等級(139万円)までに変更となります。

どのように判断されるか

標準報酬等級の上限が増えた際、その増えた範囲の等級に該当するか否かの判断は、昨年の定時決定(算定)時に提出された報酬月額で自動的に判断されることになっています。現状は上限の47等級だった人が、登録された報酬月額に従って4月からは48~50等級に報酬月額に変更となった場合には、会社に通知書が送付されます。会社担当者はその通知内容に従って給与から控除する保険料額を変更しなければなりません。

注意点

今回は自動的に判断されますので会社は何も届出をする必要はないとされていますが、これには落とし穴があります。それは現在最高の47等級に該当している方が、昨年の定時決定後の8月以降に報酬月額がアップしている場合です。最高等級の方の場合、これ以上は保険料額が変わらず月額変更にも該当しないため、報酬月額がアップしても一般的には届出はしません。しかし、年金事務所や健康保険組合の報酬月額はあくまで昨年の定時決定(算定)時のデータですので、月額変更には該当しないものの、報酬月額変更の届出をしておかなければ、本来は48~50等級に該当すべき方が47等級のままとなってしまう場合があります(例 昨年6月まで報酬月額が120万円だった方が7月以降に130万円に変更となった場合等)。47等級に該当する117万5千円以上の報酬月額の方で、昨年7月以降に報酬月額がアップしている場合、該当の有無・届出の必要性の可否等をご確認ください。

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