インフルエンザの会社対応

インフルエンザのシーズンになりました。今年は流行が著しく、医療機関や介護施設では集団感染のニュースも報じられています。そこで今回は従業員の方がインフルエンザに罹患した際の会社対応について触れてみたいと思います。

インフルエンザの症状と検査
img_onepoint0075_01.jpgインフルエンザはかぜとは異なり、突然の高熱や体の痛み、食欲不振などの症状が強く現れると言われています。従業員の方でこのような症状の方が出た場合は注意が必要です。また、医療機関に行っても自動的にインフルエンザの検査がなされるわけではありませんので、疑わしい場合は本人から申し出て検査をしてもらったほうが良いでしょう。



確定診断後の対応
従業員の方がインフルエンザと確定診断をされた場合、一般的には医療機関での指示を受けつつ自宅での療養期間になると思われます。厚生労働省のホームページによれば、インフルエンザは発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれていますので、職場感染を防ぐためにはこの間は自宅療養をしていただきたいところです。この自宅での療養期間についてですが、学校の児童については学校保健安全法(昭和33年法律第56号)により「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」をインフルエンザによる「出席停止期間」としていますが、一般の社会人についてはそのような定めはありません。

休業の扱い
img_onepoint0075_02.jpg上記のように一般の社会人にはインフルエンザに罹患したことによる「就業禁止期間」はありませんので、あくまで本人が医療機関による指導の下でお休みすることになります。会社担当者は欠勤した際に本人が希望した場合は、年次有給休暇を認めてあげればよいでしょう(病気有給休暇(シックリーブ)の規定を設定している会社はその内容に従ってください)。
しかし、極端な例ですが、本人が「まだ熱もあって完治はしていませんが大事な仕事があるので出勤します!」と連絡があった場合にはどうでしょうか?出勤を認めた結果、職場で感染拡大した場合には大変なことになりますし、「安全配慮義務」の観点からも会社としては「休業」を命じるのが一般的と思われます。法律上、この休業に対しては会社の命令になりますので、労働基準法第26条に基づく「休業手当」の支払いが必要になります。

新型インフルの例外
インフルエンザで会社が休業を命じた場合は「休業手当が必要」と書きましたが、それは一般的な季節性のインフルエンザの場合です。インフルエンザは時として新型インフルエンザとして発生することがありますが、この場合は「就業禁止」の措置を取ることが会社に義務付けられていますので、この場合の欠勤期間は休業手当の支給義務はありません。なお、療養後の職場復帰についてリスク予防の観点から考えた場合、「本当に治ったのか」というところが気になるところではありますが、厚生労働省によるとインフルエンザの陰性を証明することは一般的に困難であることや、医療機関に過剰な負担をかける可能性があることから、会社がインフルエンザの「治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくない」としています。

咳エチケット
厚生労働省では他人への感染を防ぐため、「咳エチケット」をキーワードとした普及啓発活動を行っています。具体的には、「咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう」「マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう」「鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、 手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗いましょう」「咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう」などです。このあたりは職場ですぐに啓もう活動を実践されてはいかがでしょうか。