定期健康診断にかかる費用負担

img_onepoint_0004_01.jpg事業主は、常時使用する労働者(特定業務に常時従事する労働者を除く)に対し、法の定めるところにより、毎年1回、定期に、一定の項目について医師による定期健康診断(以下「健診」という)を行わなければなりません。
この定期健診に伴う費用やその時間にかかる賃金の取扱いは、次のとおりです。

1 健診の費用負担とそれにかかる賃金
健診は、法において事業者に実施義務を課していることから、その費用については、当然に事業者が負担すべきものです。
健診を受けるために休業した時間にかかる賃金については、事業者に支払い義務はなく、労使間の協議によって定めることとされています。これは、健診は、「一般的な健康の確保を図ることを目的として事業者に実施義務を課したもので、業務遂行との関連において行われるものではない」と考えられているためです。しかし、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営上不可欠であることを考慮すると、事業主が支払うことが望ましいといえるでしょう。

2 健診後の再検査等にかかる費用負担
健診の結果、要再検査または要精密検査と判定された場合、その再検査・精密検査等の費用および検査等に要する時間にかかる賃金については、法令上特に定めはありませんので、就業規則または労使間の協議等により定めることとなります。
なお、要再検査等と判定された場合は、病気である可能性がありますので、受診するよう勧めたほうがよいでしょう。

3 短時間労働者にかかる健診
常時使用する短時間労働者についても、次の要件を満たした場合には、健診の実施が義務づけられています。
① 期間の定めのない労働契約により雇用する人(有期労働契約により雇用する人であって、契約期間が1年 (一定の有害業務に従事する人については6ヵ月。以下同じ)以上である人ならびに契約更新により1年以上雇用することを予定している人、および1年以上引き続き雇用している人を含む)であること。
② 週所定労働時間数が、その事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上あること。
なお、週所定労働時間数が4分の3未満であっても、上記①の要件に該当し、週所定労働時間数が概ね2分の1以上である短時間労働者には、健診を実施することが望ましいとされています。

img_onepoint_0004_02.jpg4 健診実施後の義務
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、健診実施後遅滞なく、「定期健康診断結果報告書」を所轄労働基準監督署に提出しなければなりません。
さらに、この健診結果を「健康診断個人票」に記録し5年間保存する義務があります。

健康診断を実施しなかった場合、実施しても前記に掲げる事業者が報告書を提出しなかった場合には、50万円以下の罰金が科せられます。

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