同一労働同一賃金ガイドライン案 ~昇給および賞与~

前回、同一労働同一賃金ガイドライン案について紹介し、そのうちの基本給について解説しました。今回は、昇給および賞与について解説します。

昇給に関して、同ガイドライン案は、「昇給について、勤続による職業能力の向上に応じて行おうとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同様に勤続により職業能力が向上した有期雇用労働者又はパートタイム労働者に、勤続による職業能力の向上に応じた部分につき、同一の昇給を行わなければならない。また、勤続による職業能力の向上に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた昇給を行わなければならない。」としています。

img_jitsumu_0063.jpgこれは、たとえば、「勤続による職業能力の向上」という理由に基づいて正社員について昇給している場合に、非正規であっても勤続によって職業能力の向上が認められるのであれば、その向上に応じた部分について同一の昇給を行う必要があるということです。

会社の対応としては、まず、正社員がどのような理由に基づいて昇給しているのか、という点を確認し、その理由が非正規にも同様に当てはまるようであれば、当てはまる部分については、同一の昇給措置を講じる必要があるということになります。

次に賞与ですが、同ガイドライン案は、「賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合、無期雇用フルタイム労働者と同一の貢献である有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、貢献に応じた部分につき、同一の支給をしなければならない。また、貢献に一定の違いがある場合においては、その相違に応じた支給をしなければならない。」としています。

すなわち、会社業績に応じて賞与を支給している場合には、「会社業績への貢献」という要素は、正社員だけではなく非正規にも当てはまることが通常であるため、その貢献の度合いに応じて、非正規に対しても賞与を支給すべきということを述べています。

やはり会社の対応としては、まず、賞与がどのような理由に基づき支給されているか(どのような要素を考慮して金額が決定されているか)という点を確認し、その理由が非正規にも同様に当てはまるようであれば、当てはまる程度に応じて賞与を支給する必要があることになります。

このように、同一労働同一賃金を考える際は、まず、各給付や昇給が、どのような理由に基づき行われているかという要素を分析し、その理由が非正規に対しても当てはまるか、ということを確認する作業が必要になります。

漠然と給与制度を制定していた会社にとっては、法改正に備えて抜本的な人事制度の改革が必要となります。同ガイドライン案を踏まえ、改定作業に着手・検討する必要があるでしょう。特に、賞与や昇給に関しては、非正規に実施していない会社も多数見受けられるため、同ガイドラインおよびそれを踏まえた法改正の与える影響は大きなものと考えられます。