時間外労働の計算方法

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働き方改革関連法が成立したことにより、時間外労働の上限規制が新たに設けられることになりましたが、延長上限である単月100時間未満、複数月平均80時間以内というのは、労災認定基準など健康管理上の労働時間とは計算の仕方が異なるため注意が必要です。


変形労働時間制やフレックスタイム制などを利用している場合、時間外労働の上限規制の観点からは、変形労働制のシフトの範囲内あるいはフレックスタイムの清算期間内を平均して一週40時間内に収まっていれば、特定の日または週に一日8時間、一週40時間を超えて労働していることがあったとしても、その分を時間外労働の時間数として計算する必要はありません。

しかし、過労死基準など健康管理の観点から問題となる時間外労働の時間数は、そのような制度の導入の有無と関係なく、一週40時間を超えて労働した時間は全て時間外労働の時間数として計算する必要があります。


また、安衛法では、労働者の労働時間が一定時間を超えると労働者に対する通知や医師の面接指導を行うものとされていますが、その基準となる労働時間の算定も、やはり健康管理の観点ですので、過労死基準と同様の計算方法によることになります。

そのため、変形労働時間制やフレックスタイム制を導入している企業は、時間外労働の上限規制を管理するための労働時間数と、安衛法や過労死基準など健康管理の観点からの労働時間数の両方を把握・管理する必要があります。


この違いを知らずに、変形労働時間制やフレックスタイム制上の労働時間しか管理していない場合、安衛法の定める労働時間の適正把握義務(安衛法66条の8の3、安衛則52条の7の3)に違反するおそれがあるため注意が必要です。