従業員等が社宅を利用する場合|税務通信 No.3505

No.3505
(平成30年5月7日号)45頁

ショウ・ウィンドウ 社宅の家賃と給与課税

Q1

 従業員等が社宅を利用する場合に、そこで発生する水道光熱費も、家賃と同様に回収する必要がありますか。


A1

 社宅に係る水道光熱費については、下記通達が公表されています。

36-26(課税しない経済的利益...寄宿舎等の電気料等)
 使用者が寄宿舎(これに類する施設を含む。以下この項において同じ。)の電気、ガス、水道等の料金を負担することにより、当該寄宿舎に居住する役員又は使用人が受ける経済的利益については、当該料金の額がその寄宿舎に居住するために通常必要であると認められる範囲内のものであり、かつ、各人ごとの使用部分に相当する金額が明らかでない場合に限り、課税しなくて差し支えない。


 原則、水道光熱費は各入居者が負担すべきものと整理されています。したがって、使用人者(会社側)がその負担をした場合には、原則は、入居者(使用人)が経済的な利益を受けたものとして給与課税されることになります。
 ただし、①その額が通常利用した場合の料金程度であること、②各人ごとの利用額が計算できないこと、の2つの条件を満たす場合には、その経済的な利益は非課税とされています。



Q2

 従業員等が社宅を利用する場合に、適正な賃貸料を従業員等から回収していれば、給与課税等の課税関係が生じないことは分かりましたが、業務上の都合から社宅に居住している場合も、従業員等から適正な賃貸料を回収する必要がありますか。


A2

 回収する必要はありません。
 所得税法では、第9条において、所得税を課さない非課税所得を列挙しており、その1項6号では、給与所得者が使用者から金銭以外の経済的な利益を受けた場合でも、非課税とされるものが記載されています。

(非課税所得)
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
(略)
六 給与所得を有する者がその使用者から受ける金銭以外の物(経済的な利益を含む。)でその職務の性質上欠くことのできないものとして政令で定めるもの


 この6号を受けた所得税法施行令第21条では、職務の遂行上の必要性から社宅に居住している場合の経済的利益を非課税としています。

第二十一条 法第九条第一項第六号(非課税所得)に規定する政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
(略)
四 国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)第十二条(無料宿舎)の規定により無料で宿舎の貸与を受けることによる利益その他給与所得を有する者でその職務の遂行上やむを得ない必要に基づき使用者から指定された場所に居住すべきものがその指定する場所に居住するために家屋の貸与を受けることによる利益


 工場の勤務体系を維持するために、工場近くの社宅に従業員を住まわせているようなケースが典型例かと思いますが、通達では、以下のように、他の例も掲載されています。

9-9(職務の遂行上やむを得ない必要に基づき資与を受ける家屋等)
 令第21条第4号に規定する「職務の遂行上やむを得ない必要に基づき使用者から指定された場所に居住すべきものがその指定する場所に居住するため」に貸与を受ける家屋には、次に掲げるようなものが該当する。
(1)船舶乗組員に対し提供した船室
(2)常時交替制により昼夜作業を継続する事業場において、その作業に従事するため常時早朝又は深夜に出退勤をする使用人に対し、その作業に従事させる必要上提供した家屋又は部屋
(3)通常の勤務時間外においても勤務を要することを常例とする看護師、守衛等その職務の遂行上勤務場所を離れて居住することが困難な使用人に対し、その職務に従事させる必要上提供した家屋又は部屋
(4)次に掲げる家屋又は部屋
 イ 早朝又は深夜に勤務することを常例とするホテル、旅館、牛乳販売店等の住み込みの使用人に対し提供した部屋
 ロ 季節的労働に従事する期間その勤務場所に住み込む使用人に対し提供した部屋
 ハ 鉱山の掘採場(これに隣接して設置されている選鉱場、製錬場その他の附属設備を含む。)に勤務する使用人に対し提供した家屋又は部屋
 ニ 工場寄宿舎その他の寄宿舎で事業所等の構内又はこれに隣接する場所に設置されているものの部屋