従業員が亡くなったとき

ゴールデンウィークも終わりました。今年は9連休だった方もいらっしゃると思いますが、楽しい思い出はできましたでしょうか。あとは夏休みまで長期のお休みはないと思いますので、体調に気を付けて日々の業務に励みましょう。さて今回のテーマは万が一に備えての内容です。

イザという時に備えて

不幸にして従業員の方が在職中に亡くなられてしまう場合があります。まさかあの人が......という突然のケースもありうることだと思いますので、会社担当者としてはいざという時に備えての準備と段取りの確認はしておくべきでしょう。

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規程の整備

まず、ふだんからの準備として規程関係を整備しておきましょう。整備しておくべき項目は①弔慰金の額、②花輪(供花)や電報の基準、等です。弔慰金については業務上で亡くなったのか、業務外で亡くなったのか、によって金額に差をつけている場合もあります。また、花輪等や電報についても規程で定めておけば、急な事態に迷うこともなくなるでしょう。弔慰金については、勤続年数によって決めている場合もあれば、一律で10万円などと決めているところもあります。また、業務上の死亡か、業務外の死亡かによって区分している会社もあります。

気を付けていただきたいのは、花輪等については葬儀場によって指定業者が決まっている場合があることです。業者選定に関しては都度の判断が妥当です。

葬儀の対応

会社での貢献度や役職等により、ご葬儀に従業員を出席させて受付等の手伝いをさせることがあります。ご家族のご意向を伺った上で、必要な対応をするように心がけてください。なお、入社したばかりの方が亡くなった場合でも、在職中の場合には会社代表の方が弔問し、先ほどの弔慰金をお届けするのが一般的と思われます。

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給付関係の手続き

業務上で亡くなったのか業務外で亡くなったのかによって、保険による給付の種類が異なります。

手続き書類名 支給額 添付書類

業務外の理由で亡くなったとき

【健康保険】埋葬料

(健康保険被保険者)埋葬料支給申請書

(亡くなった被保険者により生計を維持されていて、埋葬を行った場合に受け取る)
50,000円 住民票、死亡診断書、死体検案書等

【健康保険】埋葬費

(健康保険被保険者)埋葬費支給申請書

(埋葬料を受けられる方がいない場合で、実際に埋葬を行った方が受け取る)
50,000円の範囲内で埋葬に要した費用相当額 領収書の原本(支払者の氏名および費用額、要記載)

業務上の災害で亡くなったとき

【労災保険】葬祭料

葬祭料請求書(様式16号)

*通勤災害は葬祭給付となります。
315,000円+給付基礎日額30日(60日分に満たない場合は60日分) 死亡診断書、除籍謄本、住民票謄本(死亡者掲載の付表付き)


業務外の場合、原則として亡くなった従業員に生計を維持され葬儀を行う人に支給されますが、該当者がいない場合には実際に葬儀を行った人に対して支給されます。会社担当者の方は上記の内容を遺族等の方にお伝えして手続きをとる必要があります。

遺族年金等については遺族の方ご自身が年金事務所にお問い合わせいただくことになります。業務上の場合、遺族補償年金支給請求書を労働基準監督署長宛に提出することになります。

資格喪失手続き

雇用保険は「雇用保険被保険者資格喪失届」をハローワークへ、社会保険関係は「健康保険厚生年金被保険者資格喪失届」に健康保険証を添えて、年金事務所または組合健保に提出することが必要です。なお、雇用保険の喪失原因は「1 離職以外の理由」になります。

その他

亡くなった方が会社の寮に入っていた場合や、単身赴任先や出張先で亡くなってしまう場合など想定外の状況もないとはいえません。会社担当者の方は慌てずご家族の方と連絡を密に取り、上の事項や最後のお給料・退職金の支払先等についても漏れのないように注意しましょう。なお、上記の事例は健康保険の被保険者である方(いわゆる正社員等)を想定しています。パート従業員等で国民健康保険の方は埋葬料(費)ではなく市区町村宛に葬祭費を申請することになる他、弔慰金や退職金の扱いなどが会社毎によって正社員とは異なる場合があります。

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