第222回 令和3年度分以降の固定資産税の取扱い~令和3年度税制改正による特例措置~

■令和3年度税制改正による特例措置
 令和3年度税制改正では、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会経済活動や国民生活全般を取り巻く環境が大きく変化したことを踏まえて、納税者の負担感に配慮する観点から、令和3年度分に限り、負担調整措置により税額が増加する土地について前年度分(令和2年度分)の税額を据え置く特例措置が講じられました。
 令和3年度は、3年に1度の固定資産税評価額の評価替えの年度にあたりますが、令和3年度分の固定資産税については、固定資産税評価額が上がった土地については前年度と同額に据え置かれ、固定資産税評価額が下がった土地については下がった評価額に基づく課税になります。これにより、令和3年度分の税額は、令和2年度分の税額以下に抑えられることになります。この取扱いは、商業地等(住宅用地以外の土地)と住宅用地に共通して適用されます。

■負担調整措置とは
 固定資産税については、負担調整措置が置かれています。負担調整措置とは、固定資産税評価額が急上昇した場合であっても、固定資産税の負担が急に増えないようにするための措置であり、税額計算の基礎となる課税標準額を徐々に増やす仕組みをいいます。

■令和4年度分および令和5年分の取扱い
 令和3年度が3年に1度の固定資産税評価額の評価替えの年度にあたるため、令和4年度および令和5年度は本来据置年度になります。ただし、令和4年度および令和5年度において地価の下落があり、価格を据え置くことが適当でないときは、価格の修正が行われます。
 一方、固定資産税評価額が上昇している土地について負担調整措置は継続して適用されます(令和5年度まで継続)。具体的な取扱いは次のとおりです。

■令和4年度分および令和5年度分の固定資産税額
 以下、商業地等と住宅用地の場合を分けて、令和4年度分の固定資産税の取扱いを示します。なお、令和5年度分も同様に取り扱われます。

1.商業地等の場合
 固定資産税額は、次の算式により計算されます。

課税標準額 × 税率 = 税額

 商業地等の場合の課税標準額は、土地の価格の70%とされます。令和4年度の価格をAとしますと、令和4年度の商業地等の場合の課税標準額は、A×70%ということになります。
 ただし、令和3年度の課税標準額のAに対する割合に応じて、令和4年度の課税標準額は次に掲げるとおりとされます。

令和3年度課税標準額のAに対する割合 令和4年度の課税標準額
(1)令和3年度の課税標準額がAの60%以上70%以下の場合 令和3年度課税標準額と同額に据置き
(2)令和3年度の課税標準額がAの60%未満の場合 令和3年度課税標準額+A×5%
(上記により計算した額が、A×60%を上回る場合はA×60%とし、A×20%を下回る場合はA×20%とする)
(3)令和3年度の課税標準額がAの70%超の場合 A×70%

 要するに、令和4年度の価格の上昇率が一定の範囲内であれば税額は据え置かれ、一定の範囲を超える場合はAの価格の5%分のみが課税標準額に上乗せされます。一方、令和4年度分の価格が下落した場合には、Aの70%相当額を課税標準額とします(据置年度にもかかわらず、実質引下げ)。

2.住宅用地の場合
 固定資産税額は、次の算式により計算されます。

課税標準額 × 税率 = 税額

 令和4年度の住宅用地の場合の課税標準額は、令和4年度の価格に1/6または1/3を乗じた額とされます(200㎡以下の小規模住宅用地は1/6、200㎡を超える一般住宅用地は1/3)。
 この本来の課税標準額をBとしますと、Bが以下を超える場合には、以下の額が令和4年度の課税標準額とされます。

令和3年度課税標準額 + B × 5%

 ただし、上記により計算した額が、B×20%を下回る場合には、B×20%が令和4年度の課税標準額とされます。

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