費用徴収制度 - 労災保険-

img_jitsumu_0001_02.jpg労働保険料の申告と納付

労働保険(労災保険および雇用保険)の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(保険年度)を単位として、すべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払われた賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を掛けて算定することになっています。

具体的には、毎年保険料を概算で納付し、賃金総額が確定した保険年度末に精算するという前払い方式をとっています。したがって、事業主は、前年度に概算で支払った保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と同時に新年度の概算保険料を申告・納付する手続きが必要となります。この一連の手続きを「年度更新」といい、毎年6月1日から7月10日までの間に行うことになっています。手続きが遅れると、政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)が課されることがあります。

費用徴収制度

img_onepoint_0030_01.jpg労災保険は政府管掌の強制保険で、原則として労働者を1人でも雇用すれば、保険加入の手続き(保険関係成立の届出)を行った上で保険料の納付が義務付けられています。

政府は、事業主が労災保険にかかる下記のいずれかに該当する期間中に労災事故が発生した場合は、被災労働者には通常どおり保険給付を行い、事業主からそれにかかった費用の全部または一部を徴収することで労災保険の適用促進を図っています。これが費用徴収制度です。

(1) 指導を受けながら手続きしない間
所轄都道府県労働局、所轄労働基準監督署等行政機関から労災保険の保険関係成立届の提出(保険関係成立日の翌日から10日以内)の他所定の手続きを取るよう指導等を受けたにもかかわらず、届出をしていない間に労災事故が発生した場合、政府は被災労働者に支給した保険給付額の100%を事業主から徴収します。

(2) 届出をしない間
行政機関から加入手続きについて指導等は受けてはいないが、事業開始日から1年経過後も届出を行わない期間中に発生した事故には、同40%相当額を費用徴収します。この他保険関係成立届を提出した日から2年前まで遡り労災保険料が徴収されますので留意するとよいでしょう。

(3) 概算保険料を滞納中
労災保険の一般保険料を督促状に指定された期限を過ぎても納付しない間に発生した事故については、督促状に指定された期限から概算保険料完納日の前日までに発生した事故について、給付額に滞納率(最高40%)を掛けた額が支払いの都度徴収されます。

(4) 故意に発生させた業務災害
事業主が故意または重大な過失により発生させた仕事中の災害(通勤途中の災害を除く。)については、支払いの都度給付額に30%を掛けた額が徴収されます。

費用徴収の対象となる保険給付

費用徴収の対象となるものは、療養(補償)給付および介護(補償)給付を除く保険給付(休業(補償)給付、障害(補償)給付、遺族(補償)給付、傷病(補償)年金、葬祭料、葬祭給付)で、社会復帰促進等事業の一環として行われる特別支給金(休業(補償)給付、障害特別支給金、障害特別年金、障害特別一時金、遺族特別支給金、遺族特別年金、遺族特別一時金、傷病特別支給金、傷病特別年金)は含まれません。

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