健康保険の給付制限

img_onepoint_0003_02.jpg健康保険では、(1)故意(過失傷害罪等を除く。)の犯罪行為、(2)故意に給付事由を発生させたときには、被扶養者も含めて保険給付は行わない規定を設けています。
また、(3)被保険者や被扶養者がけんか等をした場合は、社会保険の公共性の他、他制度と重複して給付される可能性があることなどから、保険給付の全部または一部について制限を行うこととしています。
具体的には次のような場合です。

(1)故意の犯罪行為による場合
飲酒による無謀運転で事故を起こし、ケガをした場合等は、故意の犯罪行為(刑法により処罰されるべき行為、条例を含む法令に違反し処罰されるべき行為をいい、行為者が起訴または処罰されたか否かは問われない。)によるものと判断され、保険給付(療養の給付、高額療養費、傷病手当金等)は支給されません。

(2)故意に給付事由を発生させた場合
自ら身体を傷つけたときや自殺未遂によるケガの場合等は、(1)と同様治療・休業等にかかる保険給付は支給されませんが、その傷病の発生が精神疾患等に起因するものと認められれば、故意に給付事由を発生させたことには該当しないものとして、保険給付等が行われます。
なお、自殺は故意に基づく事故ですが、最終的、1回限りの事故であることから、埋葬料は支給されますが、自殺にかかる療養の給付等は行われません。
被保険者がその被扶養者に対し、給付事由に該当する事故を発生させたときは、家族療養費、家族埋葬料等は支給されません。被扶養者の場合も同様で、本人が給付事由を発生させた場合だけでなく、被保険者に対し給付事由を生じさせたときも、被保険者に対する保険給付は行われません。
ちなみに、保険給付後、前記のような場合が判明したときには、すでに支給された保険給付は返還しなければなりません。

img_onepoint_0007_02.jpg(3)けんか等をした場合
被保険者(被扶養者を含む。)がけんか等をした場合、保険給付を制限するか否かは協会けんぽ等保険者の裁量に任されています。
けんかは、第三者からの加害行為に対する正当防衛が認められる場合や数日前にけんかし、その仕返しに数日後不意に危害を加えられたような場合を除き、理由を問わず先に手を出した方が不利になります。 けんかは相手のある「第三者行為災害」ですので、殴って相手にケガをさせた場合や、けんかの仲裁に入り殴ってケガをさせてしまったような場合も、殴った側に協会けんぽ等から過失割合に応じてそのケガの治療費が請求されますので留意すべきでしょう。

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