個人版事業承継税制の対象となる自動車|税務通信 No.3555

No.3555
(2019年5月13日号)37頁

実例から学ぶ税務の核心<第31回>条文から読む個人版事業承継税制

Q1

 個人版事業承継税制の対象となる車両運搬具には、具体的にどのようなものが含まれるのでしょうか。


A1

 個人版事業承継税制が適用され、納税猶予の対象とされる資産は特定事業用資産と呼ばれます。その特定事業用資産に該当する自動車に関しては、以下のように定義されています。

措置法規則第23条の8の8
法第七十条の六の八第二項第一号ハに規定する財務省令で定めるものは、次に掲げる資産( 略 )とする。
1 略
2 自動車税又は軽自動車税において営業用の標準税率が適用される自動車以外の自動車で次に掲げるもの
 イ 自動車登録規則(昭和四十五年運輸省令第七号)別表第二の自動車の範囲欄の1、2、4及び6に掲げるもの
 ロ 道路運送車両法施行規則別表第二の四の自動車の用途による区分欄の1及び3に掲げるもの   

 まずは、2項本文で「自動車税又は軽自動車税において営業用の標準税率が適用される自動車以外の」とありますが、これは営業用の標準税率が適用される自動車が適用対象外とされているわけはありません。
 そもそも「営業用の標準税率が適用される自動車」は、本法である法第70条の6の8において対象になるものとされています。
 したがって、この規則では、本法で適用対象としている「自動車税又は軽自動車税において営業用の標準税率が適用される自動車」以外の自動車で、適用対象となるものを「イ」と「ロ」で定義していることになります。

 まず「イ」ですが、自動車登録規則の別表第二に記載されている1、2、4及び6が対象になるとされています。
 ここで、自動車登録規則の別表第二は、以下のような規定です。

自動車登録規則(昭和四十五年運輸省令第七号)
別表第二
 1 貨物の運送の用に供する普通自動車
 2 人の運送の用に供する乗車定員11人以上の普通自動車
 3 人の運送の用に供する乗車定員10人以下の普通自動車
 4 貨物の運送の用に供する小型自動車
 5 人の運送の用に供する小型自動車
 6 散水自動車、広告宣伝用自動車、霊きゆう自動車その他特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車

 つまり、特定事業用資産に該当するものは、6の特殊車両を除けば、普通乗用車であれば貨物輸送用と11人乗り以上に限り、軽自動車であれば貨物の運送用に限る、ということになります。

 次に「ロ」ですが、道路運送車両法施行規則別表第二の四に記載されている自動車の用途による区分欄の1及び3に掲げるものが対象になるとされています。
 ここで、道路運送車両法施行規則別表第二の四とは、以下のような規定です。

道路運送車両法施行規則 別表第二の四
1 貨物の運送の用に供する自動車
2 人の運送の用に供する自動車
3 散水自動車、広告宣伝用自動車、霊きゆう自動車、その他特種の用途に供する自動車 

 ここでも「2」の、人の運送用のものは除かれています。

 つまり、ベンツやプリウスなどのような普通車は、貸借対照表に表示していても、自動車税又は軽自動車税における営業用車両でない限り、納税猶予の対象にならないということです。