標準報酬の決定方法

img_onepoint_0020_01.jpg社会保険の場合、保険給付や保険料徴収の基礎となるのは、標準報酬です。

この決定には、被保険者の資格を取得したときに行う「資格取得時の決定」、定期的な見直しである「定時決定」、固定的賃金に著しい変動があったとき等にその都度行う「随時改定」そして例外的な取扱いとして報酬月額の算定が困難な場合等に行う「保険者決定」があります。

資格取得時の決定
社員を雇い入れたときに届け出る資格取得届には、社員に支払う給与(「報酬月額」という。)を記入することになっています。
報酬月額は中途入社(給与の支払い対象期間が1ヵ月未満)の場合であっても1ヵ月分の基本手当、交通費等の諸手当、現物給与、残業手当(目安額)等名称に関係なく社員に支払う合計額を記入します。
保険者はこれに基づき資格取得時の標準報酬月額(報酬月額を一定の幅で区分した仮の報酬にあてはめたもの)を決定します。
資格取得届に記入した額と実際の支給額とが大きく異なる場合は、資格取得時までさかのぼり報酬月額を訂正することになりますので注意が必要です。

img_onepoint_0020_02.jpg定時決定
傷病手当金、出産手当金、年金額、保険料等の算定の基礎となる報酬は、被保険者に現に支給する報酬月額ではなく標準報酬月額(以下「標準報酬」という。)となりますので、その間に大きな差が生じないように、毎年1回、7月1日時点で在籍している全被保険者の前3ヵ月間(4月~6月)の報酬月額(給料計算の対象となる支払基礎日数が17日以上ある月のみ算定対象)を算定基礎届により届け出ます。
保険者はそれに基づき標準報酬の見直しを行います。これを「定時決定」といい、これで決定された標準報酬は、原則としてその年の9月1日から翌年8月31日までの1年間適用されます。

保険者決定-定時決定の場合
病気欠勤等で3ヵ月間報酬が全く支払われない場合、3ヵ月とも支払基礎日数が17日未満の場合、または低額の休職給を受けた場合、賃金カット等の理由で通常の方法によって報酬月額を算定することが困難な場合や著しく不当である場合は、保険者が標準報酬を決定します。これを「保険者決定」といい、具体的には、休業直前の報酬月額をもって決定します。これは、通常の定時決定で標準報酬を決定すると傷病手当金等が減少することがあるためです。

随時改定
標準報酬は前記のとおり原則として定時決定により決定され、その年の9月から1年間固定されます。しかし、この1年間に昇給(降給)やベースアップ(ベースダウン)、賃金体系が時給制から月給制にまたは身分がパート社員から正社員に変更(またはその反対の場合)、時間単価や諸手当等固定的賃金の変動(残業手当等の非固定的賃金を含む。)等により報酬月額が大きく変わることがあります。
この原則を厳格に貫くと、現在の標準報酬と変動後の報酬月額の平均額に相当する標準報酬との隔たりが拡大し現実と即応しなくなります。
そこで、現在の標準報酬と変動月からの3ヵ月間に受けた報酬月額の平均額(3ヵ月とも支払基礎日数が17日以上あること。)に原則として2等級以上の差を生じたときなどで、保険者が必要と認めた場合は、随時標準報酬を改定することができます。これを「随時改定」といい、保険者に標準報酬月額変更届を提出します。

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