第188回 資産の販売等を行った場合の収益の計上の単位 ~財またはサービスに対する保証の取扱い~

■財またはサービスに対する保証に係る会計処理
新しい収益認識会計基準では、各履行義務が収益認識の単位になります。別個の履行義務なのかどうかを判断することが常に求められます。
財またはサービスに対する保証が合意された仕様に従って機能することの保証である場合、企業会計原則注解(注18)に定める引当金(製品保証引当金等)として処理します(収益認識適用指針34項)。別個の履行義務とはしないという意味であり、従来と同様の処理になります。
また、顧客にサービスを提供する保証(当該追加分の保証について、以下「保証サービス」という)を含む場合には、保証サービスは履行義務であり、取引価格を財またはサービスおよび当該保証サービスに配分する必要があります(収益認識適用指針35項)。
ただし、約束した財またはサービスが、顧客との契約の観点で重要性が乏しい場合には、当該約束が履行義務であるのかについて評価しないことができるとする代替的な取扱いが定められています。顧客との契約の観点で重要性が乏しいかどうかを判定するにあたっては、当該約束した財またはサービスの定量的および定性的な性質を考慮し、契約全体における当該約束した財またはサービスの相対的な重要性を検討します(収益認識適用指針93項)。

■顧客にサービスを提供する保証の例
例えば通常の製品保証とは別に、追加的な料金なしに、購入日から一定期間にわたり製品の操作方法について訓練を受ける権利を顧客に提供するといった場合に、訓練が製品の販売とは独立した追加的なサービスの提供であると判断される場合は、製品の販売と訓練サービスを別個の履行義務であるとして取引価格を2つの履行義務に配分することが考えられます。
また、製品の販売において、一定期間の無償メンテナンスサービスを付ける取引について、メンテナンスサービスが製品の販売とは独立した追加的なサービスの提供であると判断される場合は、製品の販売とメンテナンスサービスを別個の履行義務であるとして取引価格を2つの履行義務に配分することが考えられます。
顧客にサービスを提供する保証である場合、当該保証を履行義務として識別し、財またはサービスを提供するまでは契約負債として認識し、財またはサービスを提供した時に契約負債から収益に振り替えることになります。先の訓練やメンテナンスサービスの場合、一定期間にわたり収益を認識することが考えられます。

■財またはサービスに対する保証に係る法人税の取扱い
財またはサービスに対する保証については、次の通達が公表されています。すなわち、法人が資産の販売等に伴いその販売もしくは譲渡する資産または提供する役務に対する保証を行った場合において、当該保証がその資産または役務が合意された仕様に従っているという保証のみであるときは、当該保証は当該資産の販売等とは別の取引の単位として収益の額を計上することにはなりません(法基通2-1-1の3)。
要するに、合意された仕様に従って機能することの保証であるときは、会計上、独立した履行義務とはせず、製品保証引当金等の対象としますが、税務上も独立した履行義務とはしません。ただし、製品保証引当金等は、税務上認められないため、製品保証引当金の繰入による費用については、従来どおり申告調整を行うことになります。
一方、顧客にサービスを提供する保証である場合、当該保証を履行義務として識別する取扱いについては、税務上も履行義務として識別し、会計と同様に、履行義務が充足される時に収益を認識することになると考えられます。