2021/08/10 9:00
保険契約の権利は"金銭債権"に当たり、その譲渡に係る対価の額は非課税売上となるそうですが、これ以外に、実務で同様の取扱いが適用されるものがあれば教えてください。
自動車のリサイクル料金が、保険契約の権利と同様の取扱いが適用されます。
1.リサイクル預託金とは
自動車を購入する際の諸費用の明細には、リサイクル預託金という項目があります。このリサイクル預託金とは、自動車(新車)の購入時に、その自動車を廃車にする際のリサイクル料金を公益財団法人自動車リサイクル促進センターにあらかじめ預けておくものです。リサイクル料金の金額は、車種などにより異なります。
リサイクル料金の詳細は、下記の公益財団法人自動車リサイクル促進センターのホームページでご確認ください。
https://www.jarc.or.jp/automobile/fee/feeindex/
2.リサイクル預託金の会計処理・税務処理
(1)自動車の取得時の処理
自動車(新車)の取得時に支払うリサイクル料金について、会計処理をする際の勘定科目及び消費税の課税区分は次のとおりです。
リサイクル料金の項目 | 勘定科目 | 消費税の課税区分 |
シュレッダーダスト料金 | 預託金(B/S資産) | 不課税取引(課税対象外取引) |
エアバッグ類料金 | ||
フロン類料金 | ||
情報管理料金 | ||
資金管理料金 | 支払手数料(P/L費用) | 課税仕入(10%) |
リサイクル料金の項目別の金額は、自動車を購入する際の諸費用の明細に記載されています。
(2)自動車の譲渡時の処理
自動車を譲渡する際には、その自動車に係るリサイクル預託金もセットで譲渡することになります。リサイクル預託金は金銭債権にあたるため、その譲渡に係る対価の額は非課税売上に計上します。
ただし、課税売上割合の計算上は、譲渡対価の額の5%を非課税売上として計上します。これは有価証券(株式)を譲渡した際の処理と同様です。会計ソフトにより違いはありますが、「有価証券を譲渡した場合の非課税(譲渡対価の額の5%を非課税売上に計上)」の課税区分がある場合には、その課税区分を使って処理をすることになります。
本誌関連ページ
ショウ・ウインドウ 保険契約の名義変更に係る消費税
No.3660(令和3年6月28日号) 69頁