第225回 業容の縮小に伴う機械装置の移設費用の取扱い

■機械装置の移設費用
 機械装置の移設費用や解体費用は、原則として、修繕費として損金算入されます。機械装置を単に移動させるだけであれば、その機械装置の価値や使用可能期間は変わらないと考えられるからです。
 しかし、集中生産またはよりよい立地条件において生産を行う等のための移設費用は、その機械装置の取得価額に算入しなければなりません(法基通7-3-12)。この場合の移設費用は、移設により機械装置をより効率的に動かすことを期待して支出される費用であり、その移設により機械装置の価値が高まることが考えられ、資本的支出の性格を有するものと考えられるからです。通達では、「集中生産またはよりよい立地条件において生産を行う等のため」と記述されていますが、生産能力の増強、生産の効率化を目的とする移設等が含まれると解されます。

■経済環境の悪化に伴う業容の縮小に伴う移設の場合
 経済環境があまり芳しくない状況下ですが、業種・業態によっては、商品・製品の需要が減少し、生産量や販売量が減少しているケースも考えられます。生産量や販売量の減少に伴い、事業所の整理・統合を行うケースがみられます。例えば、3箇所あった事業所を2箇所に統合するようなケースです。廃止した事業所で使用していた設備を継続する事業所に移設して使用する場合も多いと考えられます。
 このような生産量や販売量が減少していることに対応して行われる事業所の整理・統合に伴う移設の場合、その資産の価値を高める要素は通常は考えにくいと思われます。原則として、修繕費に該当するものと考えられます。

■災害に伴う移設の場合
 近年、台風、水害、地震などの自然災害が増加していますが、被災を受けた事業所の再開が困難であるため、他の事業所に設備を移設したり、ハザードマップの情報に基づいて、事業所の高台移転を行ったりする事例がみられます。
 このような風水害に伴い、事業の再開が困難であるため、やむを得ず行われる移設の場合、原則として、集中生産またはよりよい立地条件において生産を行う等ための移設には当たらないと考えられます。他の事業所への移転に伴い、生産効率の向上にプラスになる面が多少あった場合であっても、効率化を図ることが主目的ではありませんので、修繕費として処理することで問題ないと考えられます。

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