医療法人の組織形態|No.3423

No.3423
(平成28年9月5日号)70頁

ショウ・ウィンドウ 持分なし医療法人への移行と法人への贈与税

Q1

 医療法人の組織形態には、どのような種類があるのでしょうか。


A1

 医療法人とは、医療法により設立された法人で、「社団医療法人」と「財団医療法人」が存在します。
 さらに、社団医療法人は、残余財産の帰属に関する定めに応じて、持分の定めのある社団医療法人、持分の定めのない社団医療法人に分けられます。

持分の定めのある法人の定款例 持分の定めのない法人の定款例
第○条 退社した社員は、その払込済出資額に応じて払戻しを請求することができる。


第○条 本社団が解散した場合の残余財産は、払込済出資額に応じて分配するものとする。

第○条 社員は、本社団の資産の分与を請求することができない。
2 前項の規定は、社員がその資格を失った後も同様とする。
第○条
本社団が解散した場合の残余財産は、国若しくは地方公共団体又は同種の医療法人に帰属せしめるものとする。


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 出資の払い戻しを出資額の限度とする、出資額限度法人と言われる医療法人もありますが、これは持分の定めのある社団医療法人に類型されます。
 また、医療法人の資金調達の手法として、基金制度を設けている基金型医療法人と言われる医療法人もありますが、特別な医療法人区分でなく、持分のない医療法人に、基金制度をオプションとして定めた法人と理解すべきです。

 なお、各医療法人の特徴は以下の通りです。

持分の定めのある医療法人 認定医療法人 特定医療法人 社会医療法人
・医療法人のうち80%以上が、持分の定めのある社団医療法人
・現行医療法では新設はできないが、経過措置により存続が許されている
・解散した場合の残余財産が、出資者に分配される
・持分に対して相続税が課され、持分の払い戻しリスクもある




・持分の定めのある医療法人については、平成26年10月以降3年間に限り、持分の定めのない医療法人への移行について、厚労省が促進制度を設けており、この移行計画の認定を受けた法人
・持分の定めのない医療法人を目指す移行段階の法人
・社員が有する持分に対して相続税が課される点は、持分の定めのある医療法人と変わらないが、持分に対する相続税は納税猶予を受けることができる
・租税特別措置法67条の2に基づき、国税庁長官から承認を受けた法人
・組織形態は財団医療法人か、持分のない社団医療法人
・法人税別表1(三)により申告を行うなど、特殊な形態の医療法人
・原則として40床以上の病院を開設していなければ認定を受けることができない



・医療法42条の2に基づき、主務官庁から認定を受けた法人
・組織形態は財団医療法人か、持分の定めのない社団医療法人
・本来事業が非課税になるなどの多くの恩恵を受ける
・土日夜間救急車受け入れ年間750件以上など、高いレベルの救急医療等確保事業の要件を満たさなければならない