2016/09/05 9:00
「資本金等の額」の計算誤りが多い、とありますが、「法人税法上の資本金等の額」は、どのように規定されているのでしょうか。
「法人税法上の資本金等の額」の具体的な計算は、法人税法施行令8条に規定されています。
この規定は、資本金等の額について、法制上の資本金の額を活かしつつ、税法上の拠出資本を表現する、絶妙なバランスをとっています。
下記の[1]+[2]+[3]が資本金等の額とされています。
この中で、税法独自の計算規定は、[2]と[3]だけになります。
また、[2]と[3]を分けているのにも理由があります。
平成18年度税制改正により、自己株式の取得によって資本金等の額が減少することになりました。その結果、資本金等の額も期中でも減少することになりました。そこで、わざわざ[3]を独立させて、期中の資本金等の額の増減がありうることを明確化しているわけです。
今までは、事業年度末の資本金等の額を把握すればよかったものが、期中での資本金等の額の把握が必要になったので、期末時点での計数表示から、増減額概念への転換が行われたのです。
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No.3423 (平成28年9月5日号)2頁