ワンストップ特例(ふるさと納税)|税務通信 READER'S CLUB

No.3616
(2020年8月3日号) 61頁

ショウ・ウインドウ ワンストップ特例と引っ越し

Q1

 ふるさと納税でワンストップ特例を利用する際に注意すべき点を教えてください。

A1

 ワンストップ特例は、確定申告を行わなくてもふるさと納税の適用が受けられる便利な制度ですが、特例を利用できる者が限定されている点や、ふるさと納税(寄附)をする自治体の数に上限がある点などに注意が必要です。

1. ふるさと納税とは
 ふるさと納税とは、都道府県や市町村に対して寄附をした場合に、一定の手続きを行うと所得税や住民税の控除を受けることができる制度です。この「手続き」とは、具体的には「寄附金控除」の適用を受けるために、所得税の確定申告を行うことをいいます。
 ただし、通常は確定申告を行わないサラリーマン(給与所得者)などは、簡便な手続きを行うことで、確定申告を行わなくてもふるさと納税の適用を受けることができる特例があります。これが「ワンストップ特例」とよばれるものです。
 ワンストップ特例を利用する場合と利用しない場合との主な違いは次のとおりです。

ワンストップ特例を
利用する場合 利用しない場合
所得税の確定申告 不 要 必 要
寄附先への手続き 特例の申請書を提出 不 要
寄附をする自治体の数 5団体以内 上限なし
控除される税金の種類 住民税のみ 所得税と住民税


2. ワンストップ特例を利用するには
 ワンストップ特例を利用する場合には、確定申告は不要ですが、その代わりにワンストップ特例の適用を受けるための手続きが必要です。
 この手続きは、自治体により多少の違いがありますが、多くの自治体では、寄附後に寄附先の自治体から届くワンストップ特例の申請用紙に必要事項を記載の上、マイナンバーカードのコピーなどの本人確認書類を添付して返送することにより手続きを行います。

3. ワンストップ特例の留意点
(1)寄附する自治体の数の判定
 ワンストップ特例を利用できるのは、寄附先の自治体数が5団体以内の場合に限られます。

<具体例> 寄附先の自治体数の数え方
① ワンストップ特例が利用できないケース
  【1回目】北海道   【2回目】旭川市  【3回目】札幌市
  【4回目】新潟県   【5回目】妙高市  【6回目】長野県
 ⇒ 寄附先が6団体(=5団体以内ではない)のため特例の利用不可。

② ワンストップ特例が利用できるケース
  【1回目】北海道   【2回目】旭川市  【3回目】札幌市
  【4回目】新潟県   【5回目】妙高市  【6回目】北海道
 ⇒ 寄附先が5団体(=5団体以内)のため特例の利用可。

 ワンストップ特例が利用できるかどうかは、寄附の回数ではなく、寄附をした先の自治体の数で判定します。上記の具体例②のように、同じ自治体(北海道)に2回寄附した場合には、自治体の数は1としてカウントします。したがって、このケースでは自治体の数は5団体となるため、ワンストップ特例を利用することができます。

(2)控除される税金の種類
 ワンストップ特例を利用しない場合には、所得税の確定申告で「寄附金控除」として申告するため、一定の方法より計算した金額が、所得税と翌年度分の住民税から控除されます。これに対して、ワンストップ特例を利用した場合には、所得税からは控除されないため、その分の金額も含めて翌年度分の住民税から控除されます。

(3)その他の留意点
 ワンストップ特例の申請後に、引っ越しによる住所の変更や、提出済の申請書の内容に変更があった場合には、寄附先の自治体に変更のための手続きが必要になります。この手続きを失念すると、正しく控除が受けられなくなる恐れがあるため注意が必要です。
 また、これらの変更がなかったとしても、ふるさと納税をした場合には、ワンストップ特例を利用したかどうかに関わらず、住民税の通知書等で、ふるさと納税に関する控除が適用されていることを確認するようにしましょう。

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