借上げ社宅等に係る経済的利益|税務通信 READER'S CLUB

No.3619
(2020年8月31日号) 4頁

税務の動向 家賃支援給付金 一定賃料徴収の社宅も対象

Q1

 会社が使用人に対して社宅を貸与する際に、給与課税を回避するため徴収する「一定額の賃料」の計算方法を教えてください。

A1

 会社が使用人に対して社宅を貸与する場合には、一定の方法により計算した「賃貸料相当額」をその使用人から徴収していれば、給与として課税されることはありません。この「賃貸料相当額」は、固定資産税の課税標準額などを基礎として計算します。

1. 賃貸料相当額の計算方法
 会社が社宅を貸与する場合において、次のいずれかに該当するときは、下記の方法により計算した「賃貸料相当額」と、徴収した家賃の金額(徴収をしていない場合には0円)との差額が給与として課税されます。
 ◆ 使用人から家賃として徴収する金額が「賃貸料相当額」よりも低い
 ◆ 使用人から家賃を徴収していない

<賃貸料相当額の計算方法(賃貸人が使用人の場合)>
 次の(1)~(3)の合計額をいいます。
(1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
(2) 12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3(㎡))
(3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

 ただし、賃借人が使用人である場合には、この賃貸料相当額の50%以上の金額を徴収していれば、賃貸料相当額と徴収した家賃の金額との差額についても給与として課税はされません。つまり、給与課税を回避するためには、上記の方法により計算した賃貸料相当額の50%以上の金額を賃貸人である使用人から徴収すればよいということです。

2. 賃貸料相当額を計算する際の留意点
 
賃貸料相当額を計算するには、その社宅に係る土地や建物の固定資産税の課税標準額を調べる必要があります。固定資産税の課税標準額は、その土地や建物の課税証明(土地課税台帳登録事項証明書・家屋課税台帳登録事項証明書)に記載されており、その土地や建物の所在する地域の区役所や市役所で取得することができます。
 ただし、この課税証明は誰でも取得できるものではなく、その土地や建物の所有者や、所有者から借り受けている者(賃借人)などに限られます。したがって、所有者との間で締結した賃貸借契約書などの書類を持参しなければ、課税証明を取得することはできません。実際に課税証明を取得する際には、賃借人が課税証明を取得する場合に必要な書類等を事前に電話などで確認した上で役所に行くと、手続きがスムーズにできるのでおすすめです。
 なお、会社が役員に対して社宅を貸与する場合にも同様の計算を行いますが、この場合には、その社宅が、社会通念上一般に貸与されている社宅と認められない、いわゆる「豪華社宅」に該当するかどうか、「豪華社宅」に該当しないものについては社宅の床面積によって賃貸料相当額の計算方法が定められています。使用人に対して貸与する場合と同じではありませんのでご注意ください。


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