不動産貸付け|No.3428

No.3428
(平成28年10月10日号)62頁

ショウ・ウィンドウ 不動産貸付けと5棟10室基準

Q1

 不動産貸付けが事業的規模で行われている場合と、そうでない場合とで所得計算にどのような違いがあるのでしょうか。


A1

 青色申告特別控除をはじめとして、次のような違いがあります。

1.青色申告特別控除
 不動産貸付けを営む青色申告者は、不動産所得の金額から青色申告特別控除として最大65万円又は10万円を控除することができます。
 それぞれの控除を受けるための要件は、次の通りです。
(1)65万円控除
 青色申告者のうち、次の全ての要件を満たす者は、65万円控除の適用を受けることができます。
 ① 不動産貸付けが事業的規模であること
 ② 不動産貸付けに係る取引を複式簿記により記帳し、これを基に作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付していること
 ③ 確定申告書に青色申告特別控除の金額を記載していること
 ④ 確定申告書を法定申告期限までに提出していること
(2)10万円控除
 青色申告者のうち上記(1)の要件を満たさない者は10万円控除の適用を受けることができます。

2.事業専従者給与・事業専従者控除
 納税者の営む事業に従事している生計を一にしている配偶者や親族に支払う給与は、原則として、その納税者の所得の金額の計算上、必要経費に算入することができません。ただし、その納税者の営む不動産貸付けが事業的規模で行われている場合には、事業専従者給与(青色申告)又は事業専従者控除額(白色申告)を、納税者の不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入することができます。

3.貸倒損失の処理方法
 賃貸料等の回収不能による貸倒損失が生じた場合には、次の区分に応じ、それぞれの方法で所得金額の計算をします。
(1)不動産貸付けが事業的規模の場合
 回収不能となった年分の必要経費に算入します。
(2)不動産貸付けが事業的規模でない場合
 賃貸料等を収入に計上した年分までさかのぼって、その回収不能に対応する所得がなかったものとして、所得金額の計算をやり直します。

4.固定資産の取壊し・除却などによる損失の処理方法
 不動産所得の計算の基礎となる賃貸用固定資産について、取壊しや除却により損失(資産損失)が生じた場合には、次の区分に応じ、それぞれ次のように取り扱います。
(1)不動産貸付けが事業的規模の場合
 資産損失の金額は、その全額を必要経費に算入します。
(2)不動産貸付けが事業的規模でない場合
 資産損失の金額は、その年分の資産損失の金額を差し引く前の不動産所得の金額を限度として、必要経費に算入します。