2018/10/29 9:00
賞与の源泉徴収税額の計算について、前月の給与がない場合には通常とは異なる計算方法によるそうですが、前月の給与がない場合以外で、このような通常とは異なる方法で計算することはありますか?
支給する賞与の金額が、前月の給与の10倍を超える場合にも、通常とは異なる方法で賞与の源泉徴収税額を計算します。この場合の計算方法は、前月の給与がない場合と似ていますが、異なる点もあるため注意が必要です。
1.「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出を受けている場合(甲欄使用)
次の手順で賞与に係る源泉徴収税額を計算します。
① 次の金額の合計額を求める (※)賞与の計算の基礎となった期間が6か月を超える場合は12 ② ①の合計額について、源泉徴収税額表(月額表)の「甲欄」でその人の扶養親族等の数に応じた源泉徴収税額を求める ③ 前月中の社会保険料等控除後の給与等の金額について、源泉徴収税額表(月額表)の「甲欄」でその人の扶養親族等の数に応じた源泉徴収税額を求める ④ (②の税額―③の税額)×6(上記①で12で除した場合には12) |
前月の給与がない場合には、社会保険料控除後の賞与の金額を6で除した金額のみを基礎として源泉徴収税額を計算しました。これに対して、賞与の金額が前月の給与の10倍を超える場合には、前月の給与の金額があるため、前月の給与の金額と賞与の金額の両方を計算の基礎として源泉徴収税額を計算する点に違いがあります。
2.「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出を受けていない場合(乙欄使用)
「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出を受けていない場合には、上記1において、源泉徴収税額表(月額表)の「甲欄」を使用しているものを、源泉徴収税額表(月額表)の「乙欄」を使用します。それ以外の点については、「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出を受けている場合と同じ計算方法です。
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今週のFAQ 前月の給与がない場合の源泉徴収税額の計算方法
No.3529(平成30年10月29日号)54頁