「単身児童扶養者」|税務通信 READER'S CLUB

No.3578
(2019年10月28日号) 14頁

Q&A形式でわかる 令和元年分 年末調整のポイント

Q1

 令和2年分の扶養控除等申告書には、「住民税に関する事項」に「単身児童扶養者」の欄が追加されましたが、なぜ、このような欄が追加されたのでしょうか。また、対象となる「単身児童扶養者」とは、具体的にどのような人が該当するのでしょうか。


A1

 平成31年度税制改正では、子供の貧困に対応するため、個人住民税の非課税措置の対象に「単身児童扶養者」を追加することになりました。この「単身児童扶養者」とは、簡単に表現すると「児童を扶養しているひとり親」ということになりますが、対象となる要件が定められているため、詳細に検討する必要があります。

1.個人住民税の非課税措置(※令和3年度分~)
 次のいずれかに該当する者には、個人住民税を非課税とする措置が講じられます。

<個人住民税の非課税の範囲>
(1)生活保護法の規定による生活扶助を受けている者
(2)次の者のうち前年の合計所得金額が135万円以下(給与収入204万円4千円未満)の者
① 障害者
② 未成年者
③ 寡婦
④ 寡夫
⑤ 単身児童扶養者 ← 追加

 

寡婦(上記③)とは、次に掲げる者をいいます。

<寡婦の範囲>
(1)夫と死別・離婚した後に再婚していない者や夫が生死不明などの者で、前年の総所得金額等が48万円以下である生計を一にする扶養親族や子を有する者
(2)夫と死別した後に再婚していない者や夫が生死不明などの者で、前年の合計所得金額が500万円以下であるもの

 寡夫(上記④)とは、次に掲げる者をいいます。

<寡夫の範囲>
妻と死別・離婚した後に再婚していない者や妻が生死不明などの者で、前年の総所得金額等が48万円以下の生計を一にする子を有し、かつ、前年の合計所得金額が500万円以下であるもの

 個人住民税の非課税措置の対象となる「寡婦」「寡夫」はいずれも、婚姻をした後に、死別、離婚、生死不明などの理由により配偶者がいない者をいいます。したがって、婚姻をしていないが子どもがいる、いわゆる「未婚の母」「未婚のひとり親」は、「寡婦」「寡夫」のいずれにも該当しないため、個人住民税の非課税措置の対象ではありません。

 この度の改正は、このような方のうち「単身児童扶養者」に該当する者を非課税措置の対象に追加するというものです。

 ただし、この改正は非課税措置の対象者の拡大であり、所得税や個人住民税の計算の対象となる「寡婦控除」「寡夫控除」の対象者が拡大されたわけではありませんので注意が必要です。「寡婦控除」「寡夫控除」の対象者の拡大については、引き続き議論がされているところです。

2.単身児童扶養者の要件 
 単身児童扶養者とは、次の全ての要件を満たす者をいいます。

<単身児童扶養者の要件>
(1)児童扶養手当の支給を受けている児童と生計を一にする父または母
(2)次のいずれかに該当する
① 婚姻(※)をしていない
② 配偶者(※)の生死の明らかでない
(※)婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様にある場合を含む
(3)(1)の児童の前年の総所得金額等の合計額が48万円以下

*(1)(2)に該当するかどうかは、その年の1月1日(賦課期日)の状況により判定します。

 この改正は令和3年度の個人住民税(令和2年分の所得に対する個人住民税)から適用されます。特別徴収では、令和3年6月から令和4年5月までの徴収分から対象となります。

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