• 国際税務関係

移転価格税制の悩ましい論点について、徹底的に踏み込んで検討!

移転価格税制についての素朴な疑問

井上康一 著

A5判 664頁
2025年9月刊行
ISBN978-4-7931-2889-9

  • 税込価格 ¥ 6,050税抜価格 ¥ 5,500 )

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【移転価格税制についての膨大な資料を整理しながら疑問を紐解いていく、『月刊国際税務』の好評連載が待望の書籍化!】

●移転価格税制の主要な論点について、国税庁がいかなる見解をとっているかを特定した上で、その根拠がどこにあるかを示すことを心掛けています。さらに豊富な脚注を付すことにより、移転価格税制の分野において軽視されがちであった根拠の明示や文献の引用を充実させました。

●移転価格税制全般を幅広く取り扱う概説書とは異なり、筆者が特に重要と考えた論点に絞った上で踏み込んだ検討をしています。それ以外の論点についても、誤解を招きやすいところや分かりにくい部分を中心に、具体例を交えながら詳細な叙述を行っています。

●移転価格対応の理想像を語るのではなく、リソースの制約がある多くの日系多国籍企業にとっての現実的で効果的な対応策を提示するよう配意しています。

タックスロイヤーや企業の移転価格対応の担当者などの方の、移転価格税制に対する理解を深めるために是非お役立てください。

著者紹介

井上康一(いのうえ こういち)
弁護士(日本・ニューヨーク州)
1982年 東京大学法学部卒業
1988年 コーネル大学ロースクール修士課程修了
2025年 東京大学大学院法学政治学研究科総合法政専攻実定法コース博士課程・先端ビジネスロー 国際卓越大学院プログラムの教育課程修了、同大学博士(法学)
(主要共著書)
『租税条約と国内税法の交錯(第2版)』(商事法務、2011)、『国際取引と海外進出の税務』(税務研究会、2019)

主要目次

第1章 本書の問題意識
 第1節 はじめに
 第2節 素朴な疑問がなぜ生まれるか
 第3節 まとめ

第2章 国税庁は移転価格課税と寄附金課税をどのように区別しているか
 第1節 はじめに
 第2節 関連規定の精査
 第3節 国税庁の見解の整理
 第4節 寄附金課税に関する裁判例・裁決例の考え方
 第5節 寄附金課税の適用要件の立証責任
 第6節 まとめ
 第7節 納税者としての留意点

第3章 独立企業間価格算定のための最適方法はどのように選定されるか
 第1節 はじめに
 第2節 独立企業間価格の算定方法
 第3節 最適方法の選定
 第4節 TNMM の種類と特徴
 第5節 TNMM の適用例の検討
 第6節 まとめ

第4章 TNMM はどのように適用されているか
 第1節 はじめに
 第2節 企業情報データベースの利用
 第3節 設定事例と移転価格税制上の取扱い
 第4節 納税者の移転価格検証
 第5節 税務当局の移転価格検証
 第6節 まとめ

第5章 独立企業間価格はピンポイントかレンジか
 第1節 はじめに
 第2節 国税庁の見解と納税者の対応
 第3節 局面ごとの検討
 第4節 納税者としての留意点
 第5節 まとめ

第6章 単年度検証か複数年度検証か
 第1節 はじめに
 第2節 国税庁の見解と納税者の対応
 第3節 比較対象に係る複数年度データの使用
 第4節 検証対象に係る複数年度データの使用
 第5節 まとめ

第7章 企業グループ内役務提供の対価はどう決めればよいか
 第1節 はじめに
 第2節 移転価格事務運営指針の変遷
 第3節 移転価格事務運営指針3 -11の整理
 第4節 納税者の取扱いと税務当局の対応
 第5節 まとめ

第8章 無形資産取引について何に留意すべきか
 第1節 はじめに
 第2節 令和元(2019)年度税制改正とその背景
 第3節 無形資産の定義
 第4節 DEMPE と独立企業間対価の支払
 第5節 日系多国籍企業と無形資産取引
 第6節 まとめ

第9章 移転価格文書化制度にはどう対応すべきか
 第1節 はじめに
 第2節 移転価格文書化制度とは
 第3節 制度の概要
 第4節 納税者としての留意点
 第5節 まとめ

第10章 移転価格ポリシーはどの程度必要か
 第1節 はじめに
 第2節 移転価格ポリシーの実務と問題点
 第3節 移転価格ポリシーの位置付け
 第4節 本書の提案の検討
 第5節 まとめ

第11章 親子間契約書は必要か有用か
 第1節 はじめに
 第2節 国内法令上の位置付け
 第3節 OECD 移転価格ガイドライン上の位置付け
 第4節 外国子会社所在地国の税制の考慮
 第5節 親子間契約書の整備のもたらすメリット
 第6節 親子間契約書の整備の際の留意点
 第7節 親子間契約書の整備の手順
 第8節 契約類型ごとの検討
 第9節 まとめ

第12章 移転価格対応はどのように考えたらよいか
 第1節 はじめに
 第2節 本書の提案
 第3節 移転価格調査の動向とその示唆
 第4節 納税者の移転価格検証
 第5節 本書の提案の検討
 第6節 まとめ