違いで勝つ!差別化戦略で中小企業の生産性を向上させる
【中小企業のための経営情報|マネジメント倶楽部デジタル4月号】

2025年4月14日

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このコラムでは、中小企業の経営に役立つヒントや、おさえておきたい今話題の情報などを、中小企業診断士の立場から、わかりやすく解説します。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
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日本生産性本部の「労働生産性の国際比較2024」によると、日本の時間あたりの労働生産性はOECD加盟38ヵ国中29位で、10年前2014年の20位から低下傾向が続いています。
特に中小企業の労働生産性は大企業に比べ半分以下の水準にとどまっており(2022年版中小企業白書)、全企業数の99%を占める中小企業の労働生産性の向上が、日本経済の成長力や活力にとって大変大きな課題となっています。

 

●差別化によって労働生産性を上げる

日本の労働生産性が低い背景として、無駄な業務が多い、長時間労働が習慣化しているといった働き方の問題、あるいはイノベーションの起きにくい社会構造、人材・設備への投資が少ないなど、非常に多くの要因が複合的に関わっていると考えられます。

とりわけ中小企業は、競合他社も多く、顧客や取引先からの値下げ圧力にさらされる中で価格競争に巻き込まれ、結果として労働生産性が伸び悩むという課題に直面しています。一方、社員数や人件費は限界まで切り詰めており、これ以上の削減は難しいと感じている中小企業経営者の方も多いでしょう。

この状況を打破し生産性を向上させるためには、商品やサービスの他社との差別化を図り、顧客に「この商品やサービスだから選びたい」と思わせる独自性を打ち出すことが重要です。差別化に成功すれば、競争の舞台を価格ではなく価値に移すことができ、企業の収益力や生産性を向上させることにつながります。

 

●差別化の方法① 顧客体験を向上させる

差別化に取り組む方法はさまざまですが、第一に、商品の購入や利用の過程で顧客が得られる体験を改善することが有効です。

例えば、特別にコシの強い麺を出すうどん屋や、廃校となった学校の校舎をそのまま活用したユニークな雰囲気の道の駅、古民家を改装した喫茶店など、独自の商品や店舗の雰囲気により、顧客に特別な体験と満足感を提供し、また利用したいと思ってもらうことができます。

 

●差別化の方法② ニッチ市場に着目する

競合の少ない特定の市場や顧客層に焦点を当てることで、競争を緩和しつつ高い付加価値を提供することができます。地域密着型の製品や、特定の嗜好・ライフスタイルに特化した商品・サービスを開発するのが効果的です。

例えば、コーヒー豆店が他店ではあまり扱っていない希少な品種や独自の焙煎方法の豆を揃える、あるいは飲食店がハラル食材を使うことでイスラム系のインバウンドを取り込む、といった取組みも増えています。

 

●差別化の方法③ ブランディングに取り組む

自社の商品・サービスの特徴や強みを対外的に発信することによりブランディングに取り組むことも、差別化を進める上で重要です。北海道森町阿部商店の「いかめし」弁当や、ランドセルメーカーから高級皮革製品ブランドに成長した「土屋鞄製造所」など、零細企業が全国的なブランドとして成功している例もあります。

最近はSNS等を活用して中小企業でもブランディングに取り組むことが可能になりました。情報を効果的に発信することで知名度が高まり、信頼獲得や人材採用にもつなげることができます。

 

●差別化に取り組み生産性を高めよう

中小企業が厳しい競争環境の中で生産性を向上させるには、他社との差別化を進めることが鍵です。価格ではなく価値で勝負することで、顧客に選ばれ、社会的な評価を高めることにもつながります。

 

 

 

 

※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント倶楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。


 

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