事前確定届出給与の職務執行期間|税務通信 READER’S CLUB

2026年1月14日

 

 

 

関連記事:No.3877(令和7年11月24日号) 08頁

税務の動向「事前確定届出給与 特例有限会社でも要件に例外なし」
Q1

この記事では、役員の任期の定めがない特例有限会社では、定款等において任期の定めを設けない限り、職務執行開始日を記載できないことから事前確定届出給与の適用が受けられないとしています。なぜ、任期の定めを置かないと職務執行開始日を記載できないのか、よくわからないので教えてください。

 

A1

まず、株式会社における職務執行開始日がどのように整理されているのかですが、平成18年6月に公表された「役員給与に関するQ&A」において下記のように解説されています。

(職務の執行を開始する日)

Q6 事前確定届出給与に係る職務の執行を開始する日とは、いつをいうのでしょうか。

 

事前確定届出給与に係る職務の執行を開始する日がいつであるかについては、基本的には、その役員がいつから就任する者であるかなど、個別の事情に応じて判断することになります。

ところで、会社法においては、役員の選任やその職務執行の対価の決定が株主総会の決議により行われること(会社法329① 、332① 、361①)、取締役は計算書類を定時株主総会に提出しその承認を受けなければならないこと(会社法438)などと規定されているところです。これらの規定からすれば、一般的には、役員給与は定時株主総会から次の定時株主総会までの間の職務執行の対価と解するのが相当です。

事前確定届出給与も役員の職務執行の対価であることに変わりはありませんから、 一般的には、事前確定届出給与に係る職務の執行も定時株主総会終結の時から開始されることとなります。したがって、「職務の執行を開始する日」とは、定時株主総会の開催日ということになります。

 

(略)

 

個別事情により判断することが原則ですが、株式会社では、定時株主総会において役員の選任や役員報酬額の決議などが行われるため、一般的な役員の職務執行期間は、定時株主総会から次の定時株主総会までと考えるべきであり、その結果、職務執行開始日は定時株主総会開催日になる、という整理がされています。

ただし、この帰結には、職務執行期間が存在することが必要であり、その職務執行期間を認識するためには役員の任期が必要なのです。なぜなら、「期間」という概念には、始点と終点が必須だからです。終点がない時の流れを、期間として括ることはできません。

一方で、特例有限会社や合同会社には、デフォルトでは役員の任期が存在しません。つまり、そのままでは職務執行「期間」という概念が出てくる余地がないのです。そのため、この記事のような解説がされているものと思われます。

なお、以下の令和7年2月7日に公開された合同会社の文書回答事例を読んでいただくと、任期を意識的に作り出していることがわかると思います。

 

「合同会社の社員に対して事前確定届出給与を支給する場合の税務上の取扱いについて」(令和7年2月7日、回答者 東京国税局審理課長)

 

 

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