医療費の負担割合が引上げ

img_onepoint_0018_01.jpg70歳から74歳までの医療費の自己負担割合は、現役並み所得者は3割、それ以外の一般および低所得者は暫定的に1割負担とされていましたが、平成26年4月1日以後に70歳となる昭和19年4月2日以後生まれの一般および低所得者については順次、医療費の負担割合が1割から2割に引き上げられます。したがって、平成26年4月1日時点ですでに70歳以上となっている高齢者については、75歳になるまでは従来どおり1割負担ですみます。

現役並み所得者とは、原則として、健康保険の場合は標準報酬月額が28万円以上、国民健康保険の場合は各種控除後の課税所得が145万円以上ある被保険者を、一般とは健康保険の場合は標準報酬月額が26万円以下、国民健康保険の場合は同課税所得が145万円未満である被保険者を、低所得者Ⅱとは市区町村民税非課税者を、低所得者Ⅰとは70歳以上の高齢者のみに認められた措置で、総所得金額等にかかる各種所得がない被保険者またはその被扶養者をいいます。なお、年収が二人世帯で520万円(単身世帯の場合は383万円)未満の世帯は一般の取扱いとなります。

img_onepoint_0018_02.jpg高額療養費の対象になるときは、忘れずにその請求手続きを
被保険者の負担割合が1割から2割に引き上げられ、高額療養費の対象になる被保険者が増える可能性があります。

高額療養費とは、同一の月に、同一人が複数の医療機関等で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合または世帯(被保険者およびその被扶養者)で複数の人が医療機関等で受診した場合は、保険診療分として支払った一部負担金等(70歳未満のようにレセプトの額が21,000円以上という制限はありません。支払額の全てが対象となります。)を世帯で合算することができ、その合算額が自己負担限度額(下表を参照してください。)を超えたときに、その超えた額が高額療養費として被保険者に払い戻される制度です。

たとえば一般の場合、支払額が外来(個人)だけなら合算額が12,000円超、世帯で受診した場合は44,400円を超えれば高額療養費に該当します。

なお、自費診療等保険外診療、入院中の食事代や光熱水費は高額療養費の対象になりません。

入院治療など医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示して現物給付を受けたほうが便利ですが、医療機関等が複数になったり、薬局で薬を処方してもらった場合などは、協会けんぽ等医療保険者が、ひとりひとりのレセプトをすべてチェックすることは困難です。さらに高額療養費は被保険者が請求しなければ支払われないしくみになっていますので、該当する場合はすみやかに医療保険者に請求手続きをしたほうがよいでしょう。

(1) 70歳以上75歳未満の自己負担限度額

区分 個人単位(外来のみ) 世帯単位(入院含む。)
現役並み所得者 44,400円 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
[44,400円]
一  般 12,000円 44,400円
低所得者Ⅱ 8,000円 24,600円
低所得者Ⅰ 8,000円 15,000円

*低所得の判定については、7月1日以降に受ける医療から、当該年度の市町村民税課税状況により判断されます。
*同一世帯で直近の1年間において3回高額療養費が支給されると、4回目以降自己負担額が軽減されます(表中[ ]の金額)。これを高額療養費多数該当世帯の負担軽減措置といいます。

(2) 70歳未満の自己負担限度額

上位所得者
(標準報酬月額53万円以上の人)
150,000円+(医療費-500,000円)×1%
[83,400円]
一   般 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
[44,400円]
低所得者(住民税非課税者) 35,400円  [24,600円]
  • PRESSLINKS230921

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