増加概算保険料(労働保険料の変更)

img_onepoint_0026_01.jpg新年を迎え、新たな決意でお仕事に臨まれている方も多いことと思います。企業が発展・拡大していくときには従業員も増加していきますが、付随して負担する労働保険料(労災保 険+雇用保険)の金額も増加することを最初から計算していますか?

労働保険料を納める時になって「去年よりも保険料が大幅に増えていて、そこで初めて気がつき資金手当に慌てた」などという話もよく耳にします。実は、ある「仕組み」を使うことでこの大幅増加の衝撃を和らげることが可能です。

1 労働保険料の仕組み
労働保険料は、1年分の保険料(4月から翌年3月分)を毎年6月~7月10日頃の「年度更新」の時に、先に見込み(概算保険料)で納める仕組みで、翌年の年度更新時に昨年分(昨年4月から今年3月分)の実際の保険料額(確定保険料)を計算、足りなければ不足分をプラス、余れば今年分の概算保険料にまわす(充当する)仕組みになっています。

計算式は、【賃金総額(1年間の全員の賃金合計)×(労災保険率+雇用保険率)=労働保険料】で、見込みである概算保険料額は、原則として昨年の実際の保険料額(確定保険料額)と同額を使用します。

2 増加概算保険料
労働保険料を納める方法は、実は年度更新時だけではありません。年度の途中で「増加概算保険料」という「仕組み」を使い、年度の途中で増加した分を申告・納付することによっても納めることが可能です。

増加概算は年度更新時の当初の予想よりも賃金総額(全員の賃金額の合計)が、100分の200(2倍)を超え、かつ、増加後と増加前の概算保険料額との差額が13万円以上になる場合に対象となります。

例えば概算保険料として40万円納付していたところ、年度途中で従業員が大幅に増え、実際にかかる保険料額が100万円になってしまったとしましょう。もしも、増加概算保険料を申告していなかった場合、次の年度更新の時に納める保険料額は、不足分の60万円に今後の100万円の合計160万円と前年の4倍の金額が一挙に発生してしまいます。しかし、増加概算保険料60万円を年度途中で申告・納付しておけば、次回の年度更新時は100万円となり、保険料額の資金手当のインパクトを「和らげる」ことができます。

img_onepoint_0026_02.jpg3 気がつかない場合が多い
この増加概算ですが、法律では増加が見込まれた日の翌日から30日以内に、増加概算保険料を申告・納付しなければならないきまりになっています。ですが、通知書や納付書が労働局から自動的に送られてくることはありません。それは「その会社しか大幅に従業員が増えたことを知らない」からです。ですから、会社の担当者や顧問の社会保険労務士等が気づいて自主的に申告しないかぎり、そのまま処理されずに次の年度更新を迎えることになります。

新規店舗のOPENや新支社の開設、合併等によって、増加概算の対象となっている場合が多いです。新しい保険年度(4月1日)に入ってしまうと増加概算はできないので、今の時期に自社の状況を見直しておいてはいかがでしょうか。

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