年金制度にかかる改正事項

年金制度の改正が行われ、平成26年4月1日から施行されます。このうち繰下げ支給および未支給年金にかかる概要は、次のとおりです。

img_onepoint_0016_01.jpg1 繰下げ支給の見直し
繰下げ支給は、老齢厚生年金の受給権者(昭和17 年4 月2 日以後生まれの人に限る。)が、66歳になる前に老齢年金を請求していなかった場合、66歳以後いつでもその申出をすることができるという制度です。この場合老齢厚生年金または老齢基礎年金をそれぞれ単独か、あるいは両方一緒かを選択できます。ちなみに、繰下げ支給の申出は、60歳から特別支給の老齢厚生年金を受けていた人でも可能です。

65歳になったときに日本年金機構から送られてくる「年金請求書」を提出しないと年金は差し止められますので、70歳になるまでの間年金を受け取らないこともできます。その間に年金を受けたくなったときは、繰下げ支給の申出をして1月当たり0.7%を掛けた額が加算された額(加給年金額(配偶者加給、子の加算額)および振替加算額を除く。)かまたは65歳以後の本来支給の年金を一括して受けるか(加算額はつきません。)を選択できます(詳しくは年金事務所にお問い合わせください)。

高所得者が65歳以後も厚生年金保険の被保険者として在職していれば、老齢厚生年金と給与に応じて、年金の全部または一部が支給調整されますが、70歳になったときに繰下げの申出をしても、加算額は65 歳から69歳までの間に支給された年金額に対してつくため、必ず加算されるとは限りません。

また、70歳を過ぎて繰下げ請求しても増額率は70歳到達時点のもの(42%)になりますので、年金額が増えることもありません。この際特に注意しなければならないのは、支給繰下げは、「申出のあった月の翌月から支給する」と法律で規定されている請求行為ですので、申出が70歳を過ぎてしまうとその間の年金は支給されません。たとえば70歳4ヵ月目に繰下げの申出をした場合は、4ヵ月の年金は全く支給されず、5ヵ月目以降から42%増額された年金が支給されることになります。

★ 改正点
現行の取扱いが見直され、平成26年4月1日以降に70歳になる昭和19年4月2日以後生まれの高齢者から、70歳以後に繰下げの申出をした場合でも、70歳到達月に申出があったものとみなし、その翌月分から増額された年金が支給されることになります。

img_onepoint_0016_02.jpg2 未支給年金の受給権者の範囲が拡大
老齢年金等の受給権者が死亡すると、遺族厚生年金・遺族基礎年金等遺族給付の他に、その死亡した人に支給すべき年金でまだ支給していないものが「未支給の年金」として支給されます。

年金は、支給すべき事由が発生した月の翌月から死亡したときなど失権した月まで、毎年偶数月に、それぞれ前2ヵ月分がまとめて支給されますので、未支給の年金が必ず発生します。

これを受けられる遺族は、二親等以内の親族(配偶者(内縁関係にある人を含む。)、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹)であって、受給権者の死亡当時その人と生計を同じくしていた人のうち最先順位者(同順位者が複数いる場合は、その全員)です。

★ 改正点
請求者の範囲が前記の後順位者として「三親等内の親族」(甥、姪、子の配偶者、伯・叔父、伯・叔母等)にまで拡大されました。

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