消費税の非課税取引|税務通信 READER'S CLUB

No.3561
(2019年6月24日号)2頁

税務の動向 特集 大企業経理マンでも見落としがちな消費税項目 ①土地の譲渡 ~土地の譲渡対価の額を課税売上と誤認~

Q1

 土地の譲渡が行われた場合に、譲渡対価の額は非課税売上高に含めるそうですが、このほかに非課税売上(非課税取引)にはどのような取引がありますか。


A1

 非課税取引とは、消費税の課税の対象となる取引のうち、消費税の性格から課税の対象とすることになじまないものや、社会政策的な配慮により課税することが適当ではないものとして、消費税を課さないこととしている取引をいいます。

1.非課税取引とは
 非課税取引とは、具体的には次のものをいいます。

税の性格から課税対象になじまないもの 社会政策的な配慮に基づくもの
① 土地の譲渡・貸付け
② 有価証券、支払手段の譲渡など
③ 利子、保証料、保険料など
④ 特定の場所で行う郵便切手、印紙などの譲渡
⑤ 商品券、プリペイドカードなどの譲渡
⑥ 住民票、戸籍抄本等の行政手数料など
⑦ 外国為替など
① 社会保険医療など
② 介護保険サービス・社会福祉事業など
③ お産費用など
④ 埋葬料・火葬料
⑤ 一定の身体障害者用物品の譲渡・貸付けなど
⑥ 一定の学校の授業料、入学金、入学検定料、施設設備費など
⑦ 教科用図書の譲渡
⑧ 住宅の貸付け

2.実務で誤りやすい取引
 (1)郵便切手・収入印紙の購入費用
 郵便切手や収入印紙の購入費用は、特定の場所で購入したものは、非課税取引となります。
 この「特定の場所」とは、郵便局やコンビニなどの郵便切手類販売所等をいいます。したがって、金券ショップのような郵便切手類販売所以外の場所での購入は非課税取引に該当しないため、課税取引になります。

購入場所
特定の場所
(例:郵便局・コンビニ)
特定の場所以外
(例:金券ショップ)
郵便切手 非課税仕入(※) 課税仕入
収入印紙 非課税仕入

 特定の場所で購入した郵便切手(※部分)は領収書等には「非課税」と記載されていますが、自社で使用するために購入したものについては、継続して購入した日の属する課税期間(事業年度)において課税仕入として処理しているときは、この処理が認められます。

 郵便切手は、購入した時点では単に現金が郵便切手という証券に形を変えただけで、消費税が課税される「郵便物を郵送する」という役務の提供(サービスの提供)を受けていません。したがって、法律上は郵便切手を購入した時点では非課税仕入として計上し、その郵便切手を使用して郵便物を郵送したときに課税仕入に振り替える、という処理になります。これに対して、消費税法基本通達では、実務上の利便性を考慮して購入時に課税仕入とする簡便処理を認めています。

(2)健康診断・インフルエンザの予防接種に係る費用
 健康診断やインフルエンザの予防接種に係る費用は、上記の非課税取引「社会政策的な配慮に基づくもの」の①社会保険医療に該当しないため、課税仕入(課税取引)になります。この「社会保険医療」とは、簡単にいうと健康保険証を提示して一部負担で受診できる医療をいいます。




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