秋の改正情報

img_onepoint_0059_01.jpg毎年、春と秋は法改正が多い季節ですが、今年の秋もたくさんの改正が予定されています。そこで今回はすでにお伝えした情報もあわせて、会社担当者に必要な3つの改正情報を取り上げてみたいと思います。




改正1
 (地域別)最低賃金額

都道府県ごとによって決められる地域別最低賃金は、厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会が改定額の目安について全国をA~Dのランクに分けて答申を行い、この結果を受けて地方最低賃金審議会が調査審議、最終的に都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定します。

ランク

都道府県

埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪

茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島

北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡

青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄


中央最低賃金審議会の今年の引上げ額の目安については、Aランク26円、Bランク25円、Cランク24円、Dランク22円 となっています。たとえば東京都は現在932円ですので今年は26円引き上げられて見込みでは958円です。今後、他の道府県と同様に決定される予定です。効力は給与締め日とは関係なく発効日から(都道府県により異なる場合が多い)となりますので、発効日と給与締め日とのタイムラグがないようにお気を付けください(最低賃金額を守らなかった場合は50万円以下の罰金と定められています)。


また、最低賃金額は「地域別最低賃金」の他に、特定の産業で労働する方を対象とした「特定最低賃金」があり、後者に該当する労働者の場合、地域別か特定かいずれか高い方の最低賃金額が適用されることになっています。


改正2 厚生年金保険料率

厚生年金保険料率は毎年9月に段階的に引き上げられてきましたが、今年も9月(10月納付分)に改定され、会社と本人負担分合計で18.3%となります。給与から控除する厚生年金保険料額を変更する必要がありますが、切替時期は会社によって社会保険料を当月で引くか翌月で引くかで異なりますのでご注意ください。厚生年金の保険料率変更は今後新たな法改正がない限り、今回の保険料率で固定されます(保険料水準固定方式)。


なお、健康保険料と介護保険料については今回変更ありません。


改正3 子の育児休業期間が最長2歳まで延長

img_onepoint_0059_02.jpg以前にもこのコラムでお伝えしましたが、待機児童等による離職の防止、および育児をしながら働く男女労働者が育児休業などを取得しやすい職場環境の実現を目的として、平成29年10月1日から育児休業が法改正されます。

保育所等に入所できなかった場合、育児休業の取得可能期間が従来の1歳6ヶ月からさらに6ヶ月延長され、最長2歳までの育児休業の取得が可能になります(2歳までに法改正されたというより【1歳6ヶ月時点で入所できない場合は最長2歳まで再延長が認められた】という変更といえます)。
image_20170612.png

まとめ

上記のように、最低賃金や育児休業は該当する従業員の方にとってはかなり注目されるポイントですし、厚生年金保険料は給与から控除する額を変更しないと会社がその分を負担することになりますので、見落としとならないようお気を付けください。


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