源泉不要とならない法人とその理由|税務通信 READER'S CLUB

2023年7月4日

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関連記事:No.3753(令和5年5月22日号) 42頁

今週のFAQ 「源泉不要となる完全子法人株式等の配当」
Q1

 記事では、一定の内国法人が支払を受ける完全子法人株式などからの配当等について、源泉徴収が不要とされたとあります。ただ、この一定の内国法人からは、「内国法人のうち、一般社団法人及び一般財団法人(公益社団法人及び公益財団法人を除く)、労働者協同組合、人格のない社団等並びに法人税法以外の法律によって公益法人等とみなされている一定の法人」が除かれています。これらの法人への配当は、なぜ源泉徴収が行われることになったのでしょうか。

 

A1

 今回の、完全子法人株式などからの配当に対して源泉徴収を不要とする改正は、令和4年度税制改正で行われました。これは、会計検査院の指摘を受けての改正でした。「令和元年度決算検査報告」において、完全子法人株式等や関連法人株式等に係る配当に対して源泉徴収をしても、その配当金を受け取る側では益金不算入となるため、結果、源泉徴収を行っても還付となり、その還付加算金や事務手続きも含め税金の無駄であるとの指摘でした。

このように、この改正は、受け取る法人において配当金が益金不算入となることを大前提としています。したがって、完全子法人株式などからの配当を受け取っても、益金不算入とならない可能性がある法人については、今まで通り、源泉徴収の対象とする必要があります。

改正の対象外とされた法人は、「内国法人のうち、一般社団法人及び一般財団法人(公益社団法人及び公益財団法人を除く)、労働者協同組合、人格のない社団等並びに法人税法以外の法律によって公益法人等とみなされている一定の法人」ですが、これらの法人はすべて、法人税が課税される場合とされない場合、いずれの可能性もある法人ばかりです。ただし、配当を支払う法人においては、受取側で益金不算入となるのかどうかは判断できず、法人の種類によって判断するしかありません。そのため、法人税が課税される場合とされない場合のある法人については、一律に、源泉徴収を免除しないことにしたと思われます。

 

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