令和5年度税 制改正 NISA の拡充と恒久化
[アクタス税理士法人 News Letter2023.4]
2023/04/25
令和5年度税 制改正 NISA の拡充と恒久化[News Letter]
令和5年度の税制改正では、「資産所得倍増プラン」の実現に向け、個人資産を貯蓄から投資に積極的に振り向けるために、NISA 制度の抜本的拡充、恒久化が図られました。通常、株式の売却により利益が出た場合や配当を受け取った場合には約 20%の税金がかかりますが、NISA はこれらの税金が非課税となる制度です。改正により投資枠が大幅に拡大し期限がなくなることで、さらに大きなメリットを受けることができ、利用しやすくなるといえます。今号では改正後 NISA のポイントを現行制度と比較しながらご紹介します。
■ 改正後 NISA のポイント
●保有期間を無期限化するとともに口座開設可能期間についても期限を設けず恒久化されます。
●つみたて投資枠の年間投資枠が 40 万円から 120 万円に大幅拡充されます。
●一般 NISA を引き継ぐ成長投資枠を設け、年間投資枠が 120 万円から 240 万円に拡充されます。
●つみたて投資枠と成長投資枠との併用が可能になります。
●生涯の非課税保有限度額は 1,800 万円となります(うち成長投資枠は 1,200 万円まで)。
■ 現行 NISA と改正後 NISA の比較
■ 現行 NISA を既に利用している場合
現行 NISA 制度を利用している場合にも別枠で改正後 NISA を新たに利用することができます。既に保有している商品を売却する必要は無く、購入時から一般 NISA は 5 年間、つみたて NISA は 20 年間そのまま非課税で保有が可能で売却も自由です。ただし非課税期間終了後に新しい NISA 制度に移管(ロールオーバー)することはできません。
■ 現行ジュニア NISA
ジュニア NISA については 2023 年をもって終了します。現行ジュニア NISA で投資した商品については非課税期間(5 年)終了後、自動的に継続管理勘定に移管され 18 歳になるまで非課税で保有することが可能です。
■ 2023 年中にできること
現行 NISA を利用していない場合には、2023 年から NISA を始めることで、現行 NISA と改正後 NISA を合わせて最大 1,920 万円の投資枠を利用することができます。
また、改正後 NISA の対象年齢は 18 歳以上となりますので、小さなお子様についてはジュニア NISA がなくなり18 歳までは NISA の利用ができなくなります。改正により 18 歳前の引き出しも可能になっていますので、2023 年だけでも投資枠 1 人あたり 80 万円のジュニア NISA を利用するぐらいしか対応策はないと思います。
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