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収益認識基準適用会社に聞く「経営の視点×経理の視点」~準備から導入後の実務を通して得た知見~

Ⅲ.収益認識基準適用におけるシステム対応と内部統制

5.システム対応と内部統制

仕訳はいつ・誰が入力?

内田氏

内田氏

内田:続きまして,会計上の論点から進んでシステムの変更について伺います。今回,収益認識を変更したトピックについて,月次の管理会計でも入れたと飯塚社長がおっしゃっていましたが,仕訳を事業部単位で一から入れたのか,最後のところで訂正仕訳として入れたのか。そういった対応について伺えればと思います。

三﨑:まず,グループ全体の話をしますと,関係会社については影響が及ぶ論点が本人・代理人のみでした。基本的に連結は全て同じ会計基準で処理することをスタンスとしていますから,グループ各社で収益認識の仕訳を入れてもらっています。仕訳のパターンを当社で作成・提示して,各社がそのパターンに沿って収益認識の仕訳をしています。各社とも,商品別に売上データなどを持っていますし,どれが代理人になるかも明らかになっていますので,大幅に販売管理システムに手を入れることはなかったです。
 一方で当社単体の場合は,先ほど話があった通り,収益認識基準の適用前と後がわかるようにしなければいけませんし,かつ,セグメントよりもさらに細かい部門別でわかるような仕訳の構成に作り替えました。結果的には,新しい科目を70以上作りました。仕訳はそれぞれの金額が事業部ごと,売上の種類ごとにわかるようにしています。

飯塚:若干補足しますと,全ての連結子会社で会計ソフトを統一しており,親会社が確認できるようになっています。また,70以上の科目を追加してはいますが,逆に追加したからこそ,後から見た時にわかりやすいというメリットがあると思っています。

【図表13】連結グループでの対応

【図表13】連結グループでの対応

内田:全ての連結各社において対応されたのですか。

三﨑:はい。収益認識の影響度調査は全ての会社で行いますので,影響のある会社については全て同じような形で進めました。

内田:ありがとうございます。最初は手間がかかっても,結局は会社にとってメリットが大きいと思います。

J-SOXの対応について

内田:それでは若干経理から離れて,J-SOX(内部統制)についてお聞きします。収益認識基準を踏まえて影響があったところについてお話いただけますか。

三﨑:キーコントロールという視点でいうと,当社の場合,科目ごとに売上高の上位を占めるものについて監査法人にチェックしてもらっていますが,それに加え収益認識基準に基づいて作成した仕訳の根拠データを提出しています。

内田:収益認識基準を踏まえて,新しくチェックが必要になった作業はありますか。

三﨑:監査の負荷でいうとそれほど変わっていないと認識としています。売上のチェックに,一部そういった収益認識基準絡みのものが加わったイメージです。

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