【就活セクハラ指針のポイント】
| 働く人が知っていると得をする社会保険の知識 第40回

2026年4月20日
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このコラムでは働く皆さんが知っていると得をする社会保険、労働保険、あるいは周辺の労働法関係のテーマを取り扱い、「イザ」というときにみなさんに使っていただくことを狙いとしています。したがって、「読んで終わり」ではなく「思い出して使う」または「周囲の人へのアドバイス」に役立てていただければ幸いです。
昨年(令和7年)6月11日公布の改正男女雇用機会均等法に、新たにいわゆる「就活セクハラ」に関する条文が制定され、今年(令和8年)10月1日に施行される見込みです。企業に対し、就職活動中の学生等へのセクハラ防止措置が義務化されます。この内容に関して令和8年2月26日に【「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(厚生労働省告示第五十二号)」(以下、「就活セクハラ指針」)】が公表されました。今回はこの就活セクハラ指針のポイントについて解説します。
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「就活セクハラ」の定義
指針では就活セクハラを「事業主が雇用する労働者による性的な言動により、求職者等の求職活動等が阻害されるものをいう」「同性に対するものも含まれる」と定義しています。これによって事業主(会社)には「(男女の)採用担当者に対するふだんからの教育と指導が必要となった」ことが理解できます。以下、就活セクハラ指針における用語の定義や具体例をみていきましょう。
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求職活動等 |
求職活動や職業の選択に資する活動を指し、例えば以下のものが含まれます(SNS等のオンライン上のものも含み、通常就業している場所で行われるものに限らないとされています)。
<求職活動等の例>
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労働者 |
いわゆる正規雇用労働者のみならず、パートタイマー、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む雇用する労働者すべてとしています。また、派遣労働者については、派遣元事業主だけではなく派遣先においても、指針で定める不利益な取扱いを行ってはならないとされています。 |
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性的な言動 |
「性的な内容の発言」と「性的な行動」を指す。 ⇒性的な内容の発言…「性的な事実関係を尋ねる、情報を意図的に流布する」等 ⇒性的な行動…性的な関係強要、身体に触る、わいせつな図画を配布すること等言動を行う者には事業主や役員も想定されます。採用担当者だけではなく、これらの者についても「必要に応じ適切な対応を行うように努力することが望ましい」。 |
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求職活動等におけるセクシュアルハラスメント |
求職者等の意に反する性的な言動により求職活動等が阻害され、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等、求職活動上、看過できない程度の支障が生じること。
例) |
上記のように就活セクハラの被害者の対象にはインターンシップの学生も含まれるほか、行為者には事業主や役員も想定されています。また、就活セクハラの例は多岐にわたっていることにも注意が必要です。
「事業主等の責務」
| 事業主の責務 | 就活セクハラに関し、自社従業員が関心と理解を深め、求職者等に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施等を行う他、事業主や役員は、自らも就活セクハラに対する関心と理解を深め、求職者等に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならない。 |
| 労働者の責務 | 労働者(従業員)は、就活セクハラ問題に対する関心と理解を深め、求職者等に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主の講ずる措置に協力するように努めなければならない。 |
「事業主が雇用管理上講ずべき措置」
事業主は、就活セクハラ防止のため、次の措置を講じなければならないとされています。
| (1)方針の明確化、管理監督者を含む労働者に周知・啓発 |
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| (2)相談(苦情含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備 |
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| (3)事後の迅速かつ適切な対応 |
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| (4)(1)から(3)までの措置と併せて講ずべき措置 |
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| (5)望ましい取り組み |
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| (6)パワハラ等 |
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まとめ
今回は就活セクハラ指針を取りあげましたが、事業主(会社)の義務としては、就業規則の整備に始まり、採用担当者への教育・指導、必要なマニュアル整備、一般従業員への研修など幅広いものが求められています。今のうちから準備されることをお勧め致します。
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特定社会保険労務士小野 純
一部上場企業勤務後、2003年社会保険労務士小野事務所開業。2017年法人化。企業顧問として「就業規則」「労働・社会保険手続」「各種労務相談」「管理者研修」等の業務に従事。上記実務の他、全国の商工会議所、法人会、各企業の労務管理研修等の講演活動を展開中。
主な著作:「従業員100人以下の事業者のためのマイナンバー対応(共著)」(税務研究会刊)、「社会保険マニュアルQ&A」(税研情報センター刊)、「判例にみる労務トラブル解決のための方法・文例(共著)」(中央経済社刊)、月刊誌「税務QA」(税務研究会)にて定期連載中。













