《人事制度構築》その2 「評価シート」の組み立て方について

人材不足にならない会社経営 ~「人が辞めない会社作り」について~

2021年2月15日

 

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300社以上の経営を支援してきた経営改善の専門家が、「人が辞めない会社作り」についての取組みをご紹介します。

 

「評価シート」の組み立て方について


シリーズで「会社をやめる理由」対策をご紹介していますが、前回は、対策の二つ目である「人事制度構築」の際に重要となる業績、能力、意欲の3つの「評価軸」についてお伝えしました。今回も引き続き「人事制度構築」についてですが、評価軸を基に、実際に評価する際に用いる「評価シート」の組み立て方についてお話したいと思います。

 

1.「評価シート」作成の手順

①評価項目の選定

初めに、評価軸をブレークダウンして、評価項目を決めます。評価項目を決める際に特に気を付けたいのは、「それぞれの企業が自社の経営戦略や事業戦略上、社員に対し何を重視して仕事を遂行してほしいのか」を明確にすることです。社員に求める特に大切なものは、それぞれの企業の理念や、成長段階、事業展開の方法など、現在置かれている状況によって異なるはずだからです。同一企業であっても、平成の時代と令和の時代、コロナ禍による経済危機の時代と時間軸が異なれば、重視する評価項目も異なります。例えば、協調性を重視するのか、チェレンジ精神を重視するのか、企業が置かれた局面によって異なります。

 

②評価基準と評価尺度の設計

評価項目を設計した後は、評価項目ごとに等級を設定し、評価基準を設定します。例えば、評価軸「能力」について、一般職社員に対し、4つの評価項目と4つの等級を設定した場合を例にとってみましょう(図表1)。基準項目の「企画力」についてみると、1等級の社員には定型業務において、自己の作業計画を立案できることを求めます。4等級の社員には、日常業務の先導において、グループの業務目標達成のために、メンバーの日常の行動を計画できることを求めます。このようにして、評価基準を明確にしていきます。

【図表1】等級基準の例

次に、評価尺度基準を設定します。評価尺度基準には、相対評価と絶対評価があります。

【図表2】評価尺度基準

 

③人事評価者体系の設計
だれがだれを評価するかを決めて体系化したものが人事評価者体系です。被評価者を多くの人が評価する多段階評価を行います。

【図表3】評価者体系の例

また、多段階評価には、1次評価の後に上位の評価者が修正する方法と、1次評価者、2次評価者の結果の違いを残してウエイトづけする方法があります。

 

④人事評価期間の設計
評価期間は、通常1年を超えず、会計期間に合わせて1年か半年とするところが多いようです。

 

⑤人事評価表の設計
人事評価表にはいろいろなパターンがありますが、次のaからeまでの質問の答えのyesの数が多いほど複雑になっていきます。

a.一人ずつの評価表かどうか
b.評価基準を入れるかどうか
c.自己評価を入れるかどうか
d.業務実績に自己記入欄を入れるかどうか
e.評価表を1枚にするか。評価要素グループで分けるかどうか

 

 

2.具体的な「評価シート」の例

最後に、比較的簡単な評価シートの例(図表4)をご紹介します。評価制度を導入されていない企業様は、まずは簡単な人事評価表の作成から取り組んでみられたらいかがでしょうか。

【図表4】

 

 

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中小企業診断士前田節(まえだ とも)

株式会社ジャストコンサルティング 代表取締役。
中小企業支援をメインとした経営コンサルティング会社「株式会社ジャストコンサルティング」を2014年設立。コンサルタント12名を率い、専門性とチームワークを活かした実行型支援を行っている。

» 会社URL   https://www.just-c.net
» Facebook https://www.facebook.com/JustConsulting.buntbrain

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