今日から取り組む環境経営
~環境問題に取り組み、未来を拓く~
【中小企業のための経営情報|マネジメント倶楽部デジタル3月号】
2025年3月12日
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このコラムでは、中小企業の経営に役立つヒントや、おさえておきたい今話題の情報などを、中小企業診断士の立場から、わかりやすく解説します。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
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気象庁の発表では、昨年の夏の気温は観測史上最も高く、40度以上の気温を記録した都市も全国で9 ヶ所にのぼりました。また能登半島をはじめ、集中豪雨が各地を襲うなど、過去経験したことのない異常気象も数多く観測され、地球温暖化や気候変動が遠い未来の話ではなく、現実の問題となってきています。
豪雨による事業の停止など、企業活動にも具体的な影響が現れ始めています。また、猛暑による熱中症のリスクが大幅に高まり、労働環境への配慮も不可欠です。
中小企業にとっても、社会的責任として温暖化ガスの排出削減などに取り組むだけではなく、気候変動に伴う様々な経営リスクに対して積極的に対策を講じることが必要です。
●気象災害によるリスクに備える
気候変動により引き起こされるリスクとして、気象災害の頻発・激甚化があります。大雨や台風による風水害、土砂災害などにより、在庫や設備が被害を受ける、あるいはサプライチェーンが寸断され製品や部品の供給が滞る事態も発生しかねません。
こうしたリスクに備えるために、複数のサプライヤーを確保し、事業継続計画(BCP)を策定することが重要です。中小企業においても、事業継続力強化計画認定制度(中小企業庁) 等を利用しながら、予測可能なリスクに対して具体的な準備を進めることが、今後の生き残りにつながります。
●気温上昇による健康リスクに備える
建設業や農業、配送業など、屋外で働く従業員は、夏の猛暑による健康リスクに直面しており、その対策が経営の重要課題となっています。
作業スケジュールの柔軟な見直しや、適切な作業服の支給、日陰の確保、十分な休憩と水分補給の促進など、従業員の健康を守るための具体的な対応が求められます。
●再生可能エネルギーの導入
再生可能エネルギーの活用も重要な対策です。
特に、太陽光パネルや大容量蓄電池の導入は、日常的な電力コストの削減につながるだけでなく、災害時にエネルギー供給を確保する手段にもなります。エネルギーの自給力が高まれば、環境への貢献だけでなく、災害時の事業維持力も強化できます。
●環境への取り組みで信頼を得る
環境への取り組みは、単にリスクを回避するだけでなく、企業にとって新たなビジネスチャンスを生む可能性も秘めています。消費者や取引先は環境に配慮した企業を選ぶ傾向が強まっており、環境意識の高い企業は顧客や取引先からの信頼を得やすくなります。
環境に優しい商品やサービスを提供することで、競争力を高めると同時に、新たな市場への参入も可能になります。環境対応商品やエコサービスを開発し、新しい顧客層の開拓に取り組む中小企業も増えています。環境に配慮した経営が、企業のブランド価値を高め、また地域社会や消費者からの支持を得られるなど、企業の成長に直結する時代になってきています。
●環境経営は未来への投資
環境問題に取り組む中で、気候変動によるリスクを認識し、早めに対応することが将来の競争力強化につながります。同時に従業員の健康と安全を確保するための責任を果たすことにもつながります。また、環境経営は事業の持続性を高め、社会的な信頼を得る大きなステップにもなります。
環境問題に取り組むことは、経営基盤の強化につながる、未来への投資であるといえるでしょう。ぜひ多くの中小企業の皆さんに、環境経営に踏み出していただきたいと思います。
※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント倶楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。
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